米5月雇用統計、非農業部門雇用者数は33.9万人増―市場予想を大幅に上回る

経済

2023/6/5 8:40

<チェックポイント>

●3-4月分は上方改定

●失業率は悪化、平均時給は市場予想と一致

●6月の利上げ継続観測やや強まる―7月は利上げ実施との見方が大勢

 米労働省が2日に発表した5月雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比33万9000人増となり、市場予想の平均値である19.5万人増を大幅に上回った。過去分についても、4月分が25万3000人増から29万40000人増、3月分が16万5000人増から21万7000人増に上方改定された。

 対照的に、失業率は3.7%と3カ月ぶりに上昇し、市場予想の3.5%よりも悪化した。平均時給は前月比0.3%増と、市場予想と一致した。労働時間は34.3時間と、前月の34.4時間を下回った。

 セクター別の雇用者数は、製造業が前月比2000人減となったが、このうち、自動車・同部品製造業は同6800人増と4カ月連続で増加。建設業も同2万5000人増と伸びが加速した。

 サービス業は前月比25万7000人増で、このうち小売業は同1万1600人増、運輸・倉庫業は同2万4200人増となった。レジャー・接客業は同7万2000人増、専門・ビジネスサービス業は同1万人増、専門・ビジネスのうち、人材派遣サービスは7700人増だった。

 部門別では、民間部門が前月比28万3000人増、政府部門は同5万6000人増だった。

 また、FRBが重視している27週間以上の長期失業者数は118万8000人となり、4月の115万6000人から増加したが、割合は20.6%から19.8%に低下している。

 今回の雇用統計で非農業門雇用者数が市場予想を上回ったほか、1日発表のADP雇用統計や5月31日発表の4月雇用動態調査(JOLTS)求人件数が市場予想を上回る内容だったことから、市場では6月のFOMC(米連邦公開市場委員会)における利上げ継続観測がやや強まったほか、7月の会合においては利上げに踏み切るとの見方が大勢を占めている。

提供:ウエルスアドバイザー社

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