<新興国eye>前週のブラジル株、米債務上限引き上げ法案成立やヴァーレ高に6週続伸=BRICs市況

新興国

2023/6/5 8:59

 前週(5月29日-6月2日)のブラジル株式市場は2日のボベスパ指数が前日比1.80%高の11万2558.1、週間ベースでは5月26日終値比1.49%高と、6週続伸した。

 週明け29日は指数が下落。31日まで3日続落した。6月相場入りした1日は急反発。

 週前半は、これまでの相場上昇を受け、高値警戒感から利食い売りが強まった。通貨レアル安となったことも売り材料となった。個別銘柄では鉱山大手ヴァーレが鉄鉱石相場の下落を嫌気して売られ、下げを主導。ただ、ブラジル中銀の経済週報「フォーカス・ブルティン」で、23年実質GDP(国内総生産)伸び率の見通しが前週予想の1.20%増から1.26%増に引き上げられたことが好感されたため、下値は限られた。その後は、欧州市場が軟調となったことが嫌気され、ブラジル市場でも売りが強まった。レアル安の進行も売り材料。米債務上限引き上げで与野党が合意、バイデン政権のデフォルト(債務不履行)懸念は緩和したものの、議会で同法案が可決するまでは懸念は払しょくされないとして、売りが強まった。

 週後半は、重要な貿易相手国である中国の5月製造業PMI(購買担当者景気指数)が前月や市場予想を下回ったことを受け、中国の景気回復懸念が強まり、売りが一段と強まった。その後は、米債務上限引き上げ法案が下院を通過したことが好感され、買いが一気に優勢となった。また、ブラジルの1-3月期GDP伸び率が前期比1.9%増と、市場予想を上回ったことも支援材料。

 週末2日は続伸。米債務上限引き上げ法案が下院に続き、上院でも可決したことが好感され、買いが一段と強まった。また、安値が続いていた鉱山大手ヴァーレが急反発、上げを主導した。

 今週(5-9日)の株式市場は、ウクライナ情勢や西側の対ロ追加制裁、台湾情勢や米中関係の悪化懸念、中国の景気動向、原油・ガスなどの国際商品相場の動向、国内の政治、ルラ政権の経済・財政政策も注目される。主な経済指標の発表予定は5日の5月S&Pグルーバル・ブラジル非製造業PMI(購買担当者景気指数)や7日の5月IPCA(拡大消費者物価指数)など。8日は「キリスト聖体祭」の祝日で休場となる。

<関連銘柄>

 ボベスパ<1325.T>、上場MSエマ<1681.T>、上場EM債<1566.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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