<新興国eye>前週の上海総合指数、米デフォルト回避や米利上げ一時停止観測に反発=BRICs市況

新興国

2023/6/5 9:06

 前週(5月29日-6月2日)の中国株式市場は主要指標である上海総合指数が週間ベースで反発。2日は3230.07(5月26日終値比0.55%高)だった。

 週明け29日は指数が上昇。翌30日まで3営業日続伸した。31日は反落。6月相場入りした1日は小反発した。

 週前半は、米債務上限引き上げ合意を受け、バイデン政権のデフォルト(債務不履行)懸念が払しょくされたことを受け、買いが優勢となった。ただ、前週末に発表された1-4月期の中国工業企業利益が前年比20.6%減となり、景気回復懸念が強まったため、上値は重くなった。その後は、当局が景気対策を打ち出すとの期待感で買いが強まった。ただ、重要な経済指標を控え、買いは慎重となった。

 週後半は、5月中国製造業PMI(購買担当者景気指数)が発表されたが、48.8と、市場予想(49.4)を下回り、5カ月ぶりの低水準となったことを受け、景気回復懸念で売りが優勢となった。政府の景気対応の兆候も見られないことも売りを強めた。その後は、もう一つのPMIである5月CAIXIN(財新)中国製造業PMIが発表され、50.5と、前月と市場予想の49.5を上回り、買いが優勢となった。

 週末2日は続伸。米債務上限引き上げ法案が上院を通過したことが好感され、買いが優勢となった。また、FRB(米連邦準備制度理事会)幹部の発言を受け、米利上げ観測が後退したことも支援材料。

 今週(5-9日)の株式市場は台湾情勢やハイテク産業を巡る米中関係、世界経済の動向、海外の金融市場の動向、国内では景気対策、人民元相場、石炭や原油などのコモディティー相場も注目される。主な経済指標の発表予定は5日の5月CAIXIN(財新)中国サービス業PMI(購買担当者景気指数)や7日の5月貿易収支、9日の5月CPI(消費者物価指数)と5月PPI(生産者物価指数)など。

<関連銘柄>

 上証50連動<1309.T>、上場パンダ<1322.T>、上場チャイナ<1548.T>、

 H株ブル<1572.T>、H株ベア<1573.T>、中国A300<1575.T>、

 南方A50<1576.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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