【上海IPO】モノクローナル抗体薬開発の重慶智翔金泰生物製薬が9日に公募開始、9168万株発行予定

サーチナ

中国株

2023/6/9 10:37

 上海証券取引所の科創板への上場を目指す、重慶智翔金泰生物製薬(688443/上海)が6月9日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。9168万株を発行予定で、公募価格は37.88元。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。

 同社は2015年設立の民営企業で、21年に株式会社化した。モノクローナル抗体薬物および二重特異性モノクローナル抗体薬物を主とする抗体薬物の研究開発、生産、販売を主業務としている。目論見書発行時点で12種類の抗体薬物の研究開発を進めており、IL−17モノクロナール抗体薬物であるGR1501が中〜重度の乾癬を適応症としてNDA(新薬承認申請)段階に入っている。また、中軸型脊柱関節炎適応症で第3相臨床研究段階に入っている。そのほかについては、第1相または第2相、臨床前研究段階にある。

 成熟した技術プラットフォームと専門的な研究開発体系を構築していること、GR1501を始めとする主力製品の市場空間が広いこと、研究開発の効率が高く、ハイペースでの開発ができることなどを強みとする一方で、GR1501が最初の承認を目指している中〜重度乾癬の適応症は、すでに多くの治療薬が市場に流通して競争が激しくなっていること、研究開発を進めている薬品の種類が国内外の大手製薬会社に比べて少ないことなどがボトルネックとなっている。また、発売承認された薬物がないために利益が出ておらず、今後も赤字が続く見込みであることが大きなリスクとして存在する。

 22年12月期の売上高は47万元(前期比98.79%減)、純損益は5億7636万元の赤字(同78.92%の赤字増)。23年1〜3月期の売上高は10万元(前年同期比15.80倍)、純損益は2億96万元(同2.50倍の赤字増)。すでに発売されている自社開発薬品がないため、売上はすべて技術サービス、サブライセンス、原材料販売などによるもの。(編集担当:今関忠馬)(写真:123RF)

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