日経平均は36円安と小幅続落、朝高後に下げ転換―リバランス売り観測が重し=29日前場

 29日前場の日経平均株価は前日比36円28銭安の3万1836円24銭と小幅続落。朝方は、買いが先行した。28日の米国株高を受け、日経平均は寄り付き直後に3万2027円46銭(前日比154円94銭高)まで値を上げた。ただ、一巡後は下げに転じた。四半期末に伴う機関投資家のリバランス(資産配分の調整)に絡んだ売りが観測され、前場終盤には3万1737円13銭(同135円39銭安)まで軟化した。その後は、下げ渋り、前引けにかけては小安い水準で推移した。指数寄与度の高い東エレク<8035.T>、アドバンテスト<6857.T>などの半導体関連株が堅調に推移し、相場を支えた。

 日経平均マイナス寄与度では、デンソー<6902.T>の13円弱を筆頭にセコム<9735.T>が8円弱、ホンダ<7267.T>が7円強と続いた。東証業種別株価指数(全33業種)では、海運、石油石炭製品、鉄鋼、電気・ガスなど28業種が値下がりし、精密、繊維製品、電機など5業種が値上がりした。東証プライム銘柄の64.7%が下落した。

 東証プライムの出来高は7億2727万株、売買代金は1兆7668億円。騰落銘柄数は値上がり587銘柄、値下がり1185銘柄、変わらず59銘柄。

 市場からは「年金などのリバランス売りが出ているようだ。日経平均の銘柄入れ替えに伴う換金売りの影響もあるだろうが、いずれにしろ目先の軟調地合いは需給要因によるところが大きい。来週はそれも解消されるだけに日経平均3万2000円割れは押し目買い水準とみている」(中堅証券)との声が聞かれた。

 業種別では、川崎汽<9107.T>、商船三井<9104.T>、郵船<9101.T>、ユナイテド海<9110.T>などの海運株が下落。ENEOS<5020.T>、出光興産<5019.T>、コスモエネH<5021.T>などの石油石炭製品株も安い。日本製鉄<5401.T>、神戸鋼<5406.T>、合同鉄<5410.T>などの鉄鋼株や、東電力HD<9501.T>、関西電力<9503.T>、中部電力<9502.T>などの電気・ガス株も売られた。INPEX<1605.T>、石油資源<1662.T>などの鉱業株や、王子HD<3861.T>、日本紙<3863.T>、三菱紙<3864.T>などのパルプ・紙株も軟調。SOMPOH<8630.T>、MS&AD<8725.T>、東京海上<8766.T>などの保険株も値を下げた。

 半面、HOYA<7741.T>などの精密株が堅調。オンワードH<8016.T>、デサント<8114.T>などの繊維製品株も高い。TDK<6762.T>、ニデック<6594.T>、村田製<6981.T>などの電機株も買われた。

 個別では、品川リフラ<5351.T>、水戸証<8622.T>、愛三工<7283.T>などの下げが目立った。半面、JCRファマ<4552.T>、FPパートナ<7388.T>、エコナクHD<3521.T>などが値上がり率上位。

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