<新興国eye>トルコ5月CPI、前年比75.45%上昇に加速も最悪期過ぎた可能性

新興国

2024/6/4 9:02

 トルコ統計局が3日発表した5月CPI(消費者物価指数、03年=100)は前年比75.45%上昇と、前月(4月)の同69.8%上昇を上回り、7カ月連続で伸びが加速、市場予想(74.8%上昇)も上回った。依然、22年11月(84.39%上昇)以来、1年6カ月ぶりの高い伸びだが、市場ではインフレ率はピークに達した可能性があると見ている。

 同国のインフレ率はウクライナ戦争の勃発(22年2月24日)と、それに伴う西側の対ロ経済制裁により、エネルギー価格の高騰と、中銀の利下げに伴う通貨トルコリラの急落が加わり、21年6月(前年比17.53%上昇)から22年10月(同85.51%上昇)まで17カ月連続で急加速した。翌11月(同84.39%上昇)から23年6月まで減速したが、最近は再加速傾向にある。

 前月比(全体指数)は3.37%上昇と、前月(4月)の3.18%上昇を上回り、2カ月連続で伸びが加速、2月(4.53%上昇)以来、3カ月ぶりの高い伸びとなった。ただ、23年10月以降はホテル・カフェの新年価格改定や最低賃金の引き上げに伴う1月の6.70%上昇や2月の4.53%上昇を除けば、3%台前半で推移しており、23年7月の9.49%上昇をピークに低下傾向にある。

 メフメト・シムシェク財務相は同日、自身のX(旧ツイッター)で、5月のインフレ率について、「最悪期は過ぎた。インフレとの戦いは終了し、ディスインフレのプロセス(インフレの低下基調)に入った」とした上で、「インフレ率の持続的な低下は6月から始まる。インフレ率は7-9月期末までに前年比50%上昇を下回る可能性が高い」と、楽観的に見ている。

 市場では過去の利上げサイクル(23年6月から24年3月まで計36.5ポイント利上げ)のインフレ抑制効果により、インフレ率は24年9月に55%、同12月に38%、25年3月には29%上昇に低下すると予想している。ただ、当面は中銀に対する金融引き締め圧力は続くが、追加利上げよりも他の金融引き締め手段を選択する可能性が高いと見ている。

 セクター別(前月比)のインフレ率は、アパレル・靴は9.60%上昇(前月は4.58%上昇)と、最も高い伸びとなった。次いで、天然ガス料金を含む住宅(光熱費や修理費)が7.08%上昇(同1.38%上昇)、教育は5.63%上昇(同2.97%上昇)、ホテル・カフェ・レストランが5.52%上昇(同4.69%上昇)、酒・たばこが4.74%上昇(同9.56%上昇)と、いずれも全体の伸び(3.37%上昇)を上回った。

 このほか、家具・生活用品は1.87%上昇(同4.11%上昇)、ヘルス(薬局・美容)の1.81%上昇(同1.03%上昇)、レクリエーション・文化は1.75%上昇(同2.62%上昇)、食品・生鮮飲料水は1.69%上昇(同2.78%上昇)、どのカテゴリーにも入らないその他商品・サービスは1.62%上昇(同3.52%上昇)、運輸は1.16%上昇(同2.81%上昇)。対照的に、最も低い伸びとなったのは通信の1.01%上昇(同3.18%上昇)だった。

 他方、セクター別の前年比(全体指数)は、教育が104.8%上昇(前月は103.86%上昇)と、最も高い伸びとなった。次いで、住宅が93.21%上昇(同55.55%上昇)、ホテル・カフェ・レストランが92.94%上昇(同95.82%上昇)、酒・たばこは86.48%上昇(同78.53%上昇)、運輸は79.1%上昇(同80.39%上昇)、ヘルスは77.67%上昇(同77.67%上昇)と、いずれも全体の伸び(75.45%上昇)を上回った。

 このほか、食品・生鮮飲料水は70.14%上昇(同68.5%上昇)、家具・生活用品が69.34%上昇(同67.88%上昇)、その他商品・サービスは65.90%上昇(同66.12%上昇)、レクリエーション・文化は63.99%上昇(同66.99%上昇)、通信は54.31%上昇(同55.40%上昇)。対照的に、アパレル・靴が50.85%上昇(同51.2%上昇)と、最も低い伸びとなった。

 中銀が5月17日に発表した市場参加者による最新の5月経済予測調査(月報)によると、24年末時点のインフレ見通しは前月(4月)予想時点の44.00%上昇から43.64%上昇と、4カ月ぶりに引き下げられた。2カ月前(3月)時点は43.77%上昇だった。1年後の見通しは35.17%上昇から33.21%上昇と、7カ月連続で引き下げられた。2カ月前は36.70%上昇だった。

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