英中銀、7対2で政策金利を据え置き―据え置き支持の委員にも温度差

経済

2024/6/21 9:02

<チェックポイント>

●2委員は利下げ主張―総裁ら3委員は据え置き支持もハト派寄りに

●市場、8月利下げの可能性を織り込み始める

●ベイリー総裁、総選挙中の政治介入避け会見を中止

 BOE(イングランド銀行、英中銀)は20日、金融政策委員会(MPC)で7対2の賛成多数で政策金利を5.25%に据え置くことを決めた。据え置きは7会合連続で市場の予想通り。

 9委員のうち7人が据え置きを支持したが、7委員の間でも意見の違いがうかがえた。19日発表の英5月CPI(消費者物価指数)が前年比2.0%上昇と、約3年ぶりに物価目標の水準にまで低下したが、焦点となったサービス物価が前年比5.7%上昇と高水準だったことについて、「(7委員のうち)数人はインフレが必ずしも物価目標に持続的に収束することを示すものではなかった」と主張。一方、ベイリー総裁を含む他の委員(少なくとも3人)は「国民生活賃金(最低賃金)の引き上げなどの一過性の要因」と指摘しており、5月のサービス物価の上昇率は割り引いて見る必要があるとしたうえで、「中期的なインフレを押し上げることはない」と、ハト派寄りになった。

 市場では、据え置きを支持した委員間で温度差が感じられるとして、8月1日の次回会合での利下げの可能性が一段と高まったとの見方が強まっている。

 他方、据え置きに反対した2人は0.25ポイントの利下げを主張。根拠について、「インフレ期待が引き続き低下しているほか、雇用市場も緩和し、インフレは短期的に2%上昇近くで安定する。中期的に物価目標に持続的に戻る下ブレリスクになっている」と主張している。

 市場が注目した今後の金融政策のフォワードガイダンス(金融政策の指針)について、前回会合時と同様、「23年秋以降、インフレ率が物価目標の2%上昇を超えて高止まりするリスクが消えるまで、金融政策を長期間引き締める必要があると判断している」とした上で、「金融政策は中期的にインフレ率を持続的に2%上昇の物価目標に戻すため、十分長い期間にわたって、制限的であり続ける必要がある」との文言を残した。

 また、今後の利下げ開始の可能性について、BOEは前回会合時と同様、「インフレ率を持続的に2%上昇の物価目標に戻すため、経済指標に従って金融政策を調整する用意がある」とし、また、「政策金利をどれくらいの期間、現在の水準に維持すべきかについて検討を続ける」とし、今後の利下げ開始に向けて準備を進めるハト派のスタンスを維持した。市場では政策変更に必要なインフレの高止まりに関するデータの解釈を巡って、委員の意見が異なるため、検討が必要になっていると見ている。

 今回の会合で金融政策が据え置かれたことについて、市場では7月4日に総選挙を控えていることも一因にあるとみている。ベイリー総裁は総選挙中での政治介入を避けるため、金融政策決定の公表後の会見は行わなかった。

 次回の会合は8月1日に開かれる予定。

提供:ウエルスアドバイザー社

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