海外株式見通し=米国、香港

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2024/6/27 10:30

【米国株】スマホからアプリがなくなる日

 遠くない将来にスマートフォンからアプリが消えるのか――。コンピューターが自然な文章や会話を生み出す生成AI(人工知能)は、オープンAI社が2022年11月に「CharGPT」をリリースして以降世界を席巻している。その影響は、スマホがさまざまな役割を果たすために欠かせない「アプリ」の存在を脅かしている。

 高性能AIを搭載したスマホは、ユーザーの行動を学習して望む行動を実行できるようにアップデートされる。ユーザーはアプリを探す必要もなく、やりたいことをAIに伝えるだけで済むようになるという。既に展示会レベルでは、そうした機種が披露されており、新時代はすぐそこまで迫ってきているのかもしれない。

 半導体大手クアルコム(QCOM)は、スマホやノートPC(パソコン)で大規模言語モデル(LLM)を実行できる新製品を開発したほか、IoT(モノのインターネット)端末向けにも独自LLMの提供を始めている。さらに、AIをデバイスに直接搭載して情報を処理する「エッジAI」のプラットフォーマーとしても存在感を示し始めた。

 エッジAIには消費電力の面で課題が残り、これを解決するためには半導体素材を従来のシリコンからSiC(炭化ケイ素)など新素材に置き換える必要がある。スマホだけでなく、自動車、そしてさまざまなデバイスに係るIoT(モノのインターネット)でも同様にパワー半導体の需要が高まりそうだ。

【香港株】中国債ETFは有望な投資対象

 足元で中国国債の買い人気が加速している。中国の債券市場の規模は昨年末時点で発行残高が約22兆ドルと、米国に次いで世界2位だ。それに対し、国内規制が適用されるオンショア債市場に占める海外投資家の比率は今年4月末時点で2.9%と、ほかの先進国との比較では最低水準にとどまる。

 2024年1月末時点で「FTSE世界国債インデックス(WGBI)」に占める時価総額のウエートは中国が約7.9%と、米国(47.0%)、イタリア(8.8%)に次いで世界3位を占める。海外投資家の比率が低過ぎることに加え、海外投資家が保有する中国オンショア債の9割近くが中国債とそれに準じる政策銀行債であることから、将来的には海外からの中国債への資金流入余地が大きいとみられる。

 個人投資家は中国の債券市場に直接アクセスすることができない。また、機関投資家も自己名義の市場参加者として中国オンショア債市場で取引するにはさまざまな規制があり、容易ではない。そのため、個人投資家と機関投資家の双方にとって、ETF(上場投資信託)を用いることが、流動性と価格の透明性が保たれる点でメリットが大きいだろう。

 中国の政府や政策銀行が発行する中国債に投資するETFは、香港市場に上場するもののほか、シンガポール取引所(SGX)に上場してシンガポール・ドル(SGD)建てで取引されるものもある。SGDは「通貨バスケット制」の採用により特定通貨の急激な変動の影響が緩和されやすい利点もある。

 FTSE世界国債インデックス(WGBI)の構成国別で今年5月末までの年初来リターン(米ドル建て)を見ると、中国債が0.57%で首位だった。不動産不況に直面し融資先が見当たらない中で、金融機関が国債など債券市場に資金を集中せざるを得ない状況は当面続くとみられ、中国債の世界的な優位性は続く可能性が高そうだ。

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(フィリップ証券リサーチ部・笹木和弘)

(写真:123RF)

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