来週の東京外国為替市場見通し=FOMCで3月会合での利上げ停止の可能性探る

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2023/1/27 16:42

予想レンジ:1ドル=127円50銭-132円00銭

 1月23-26日のドル・円は上昇した。週初23日、日銀が実施した5年物の共通担保資金供給オペに一定の応札があり、円債金利が低下し円売り・ドル買いが進んだ。24日、米1月PMI(購買担当者景気指数)が製造業、サービス業とも好不況の境目とされる50を割り込んだが、市場予想はわずかに上回った。これを受けドル・円は一時上昇したが、その後急速に上げ幅を縮めた。25日、カナダ中央銀行が政策金利を引き上げたものの、利上げをいったん停止する可能性を示唆。FRB(米連邦準備制度理事会)の金融引き締めペースの減速が連想され、ドル・円は下落した。26日は、米10-12月期GDP(国内総生産)速報値が市場予想を上回り反発した。

 ドル・円は、1月31日-2月1日開催のFOMC(米連邦公開市場委員会)が最大の焦点。市場では利上げ幅が0.25%に縮小するとの織り込みが進むほか、3月会合での利上げ打ち止めの思惑も浮上しており、声明文やパウエルFRB議長の会見から手掛かりを探る動きが強まりそうだ。FOMC通過後は週末に控える米1月雇用統計をにらんだ展開。市場では全体的に弱めの数字が予想されており、米国のインフレ鈍化、景気減速が意識される内容であれば、FRBの利上げ停止観測を補強しドル売りに傾く可能性がある。

 経済指標ではこのほか、米1月コンファレンスボード消費者信頼感指数、米1月ADP(オートマチック・データ・プロセッシング)雇用統計、米1月ISM(サプライマネジメント協会)(供給管理協会)製造業景況指数、米12月製造業受注、米1月ISM非製造業景況指数などが発表予定。米国外ではECB(欧州中央銀行)理事会に注意したい。欧州圏での予想外の暖冬がエネルギー供給懸念を和らげたこともあり、ECB当局者からは積極利上げの継続姿勢が伝わる。ECB理事会の結果次第では欧・米金融政策の温度差からユーロ買い・ドル売りに振れ、ドル・円の下押しに波及する可能性もある。

 ドル・円はチャート上で、直近安値1ドル=127.21円(1月16日)が下値メド。上方向では、日銀が金融政策決定会合で大規模金融緩和策の修正に動くとの観測から急落する直前の、132円台の回復が視野に入る。

提供:モーニングスター社

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