【GW特集】日本株は「セル・イン・メイ」乗り越え――注目テーマから選ぶ有力銘柄(3)世界を席巻するゲーム・アニメ
マーケットを取り巻く不透明な外部環境は、日本株の先行きにも影を落とす。ただ、独自の好材料に目を向けると、米国や他の海外諸国にはない魅力が本邦相場には息づいている。ゴールデンウイーク(GW)にお届けする特集として、有力銘柄を探った。
映画「スーパーマリオ」記録的ヒット
任天堂(7974)を代表するゲーム「スーパーマリオブラザーズ」がアニメ映画「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」になり、国際的な話題を集めている。米国では4月5日に公開され、24日には早くも世界の興行収入が1000億円を突破した。日本でも28日に封切られ勢いが加速している。
マリオのように世界的に知られた日本のコンテンツは、ゲーム業界で目立つ。カプコン(9697)のホラーゲーム「バイオハザード」は2000年代にハリウッド映画版がヒットし、これまでにシリーズ7タイトルが製作された。最新のリブート作「バイオハザード:ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ」は昨年1月に日本で公開されている。
また、同じカプコンの格闘ゲーム「ストリートファイター」の人気も高く、世界的なアクション俳優のジャン=クロード・ヴァン・ダム主演で実写化された。さらに、米レジェンダリー・エンターテインメントがこの4月に新作を発表している。
現在では過去のゲームもオンライン配信で楽しめる。また、スーパーマリオ、バイオハザード、ストリートファイターはそれぞれスタンダードタイトルになっており、映画展開によりの再びゲームの販売増につながる可能性が高い。任天堂、カプコンにとっては強力な追い風になろう。
コミック原作アニメも破壊力大
一方、アニメやコミックも、日本有数の競争力を持つ産業だ。コミック原作のアニメは日本製ゲームにも劣らない人気を有し、22年公開の映画「ワンピース フィルム レッド」は世界興行収入が300億円を超えた。
同じく22年公開の「ドラゴンボール超 スーパーヒーロー」は、日本はもとより米国など各国で週末の興行収入の首位に付けた。いずれも息の長いコンテンツとして親しまれ、映画の大ヒットにつながった。
ほかにも、「ポケモン」「鬼滅の刃」「僕のヒーローアカデミア」「SPY×FAMILY(スパイファミリー)」「チェンソーマン」など、日本で人気のアニメも北米、アジアなど海外に熱狂的なファン層がある。
このうち、ワンピースやドラゴンボールは東映アニメーション(4816)が製作し、版権管理も行うことで、長期的な収益基盤を確保している。また、バンダイナムコホールディングス(=バンナム、7832)はグループで両者をはじめとするコンテンツのグッズを扱う。
違法な海賊版サイトの摘発が本格化し始めたことも、コンテンツ関連企業には好材料と言える。周辺銘柄としては、フィギュアの壽屋(7809)やアニメ制作のIGポート(3791)、自社IP(知的財産)でロイヤルティービジネスを展開するサンリオ(8136)なども海外に注力している。
(写真:123RF)
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