来週の東京外国為替市場見通し=FOMCを控え様子見ムードが支配的か

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2023/6/2 16:31

予想レンジ:1ドル=137円00銭-142円00銭

 5月29日-6月1日のドル・円は下落した。5月29日、米債務上限をめぐる協議でバイデン大統領と野党・共和党のマッカーシー下院議長が原則合意したことを受けてドル・円は底堅く推移したが、利益確定目的のドル売りが上値を抑えた。30日は、日本の財務省、金融庁、日銀による会合が円安へのけん制と受け止められ、ドル売り・円買いが先行。31日は、ジェファーソンFRB(米連邦準備制度理事会)理事が6月のFOMC(米連邦公開市場委員会)での利上げ見送りに前向きな発言をしたことからドル売りが加速した。6月1日、米下院で米政府の債務上限を停止する法案が可決され、ドル買いが優勢となったが、米長期金利の低下を受けてドル・円は軟化した。

 2日の東京時間は、米債務上限法案が米上院でも可決され、一時はドル買いが強まる場面もあったが、米5月雇用統計を前に上値は限られた。雇用統計の市場予想は、非農業部門雇用者数や平均時給の伸びが前月から鈍化するほか、失業率はやや上昇する見通し。米労働需給の緩和が示されれば6月FOMCにおける利上げ見送り観測を後押しする。

 5-9日の週は、米5月ISM非製造業景況指数、米4月貿易収支などがあり、結果次第でも6月のFOMCに対する思惑が交錯すると考えられる。市場では利上げサイクルの一時停止が見込まれているが、強い内容の経済指標が続くようなら、7月での利上げ再開を見込んだ動きが広がる可能性もあるだろう。ただ、13-14日にFOMCを控えてブラックアウト期間に入っているため、要人による発言の機会もなく、週後半に向けては様子見ムードが強まりそうだ。

 なお、4日にはOPEC(石油輸出国機構)とロシアなどの非加盟産油国で構成する「OPECプラス」が開かれる。今回は産油量に変更はないとみられているが、4月は予想外の追加減産となり、原油先物価格が急上昇するとドル買い・円売りが進んだだけに、関心を払っておきたい。

 ドル・円の上値メドは直近高値の141円90銭近辺、下値メドは25日移動平均線(2日時点で137円30銭近辺)。

提供:ウエルスアドバイザー社

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