<新興国eye>前週のロシア株、ウクライナ戦争激化や原油安、ルクオイルの減配に反落=BRICs市況

新興国

2023/6/5 8:57

 前週(5月29日-6月2日)のロシア株式市場は、RTS指数(ドル建て)の2日終値が前日比0.98%安の1051.53、前週比では5月26日終値比0.40%安と、反落した。

 週明け29日は指数が続伸。翌30日は反落した。31日は反発。6月相場入りした1日も続伸した。

 週前半は、米債務上限引き上げ合意を受け、バイデン政権のデフォルト(債務不履行)懸念が払しょくされ、海外株高となる中、ロシア市場でも買いが優勢となった。ロシア国内でも配当や決算関連の企業ニュースも追い風となった。配当を決めた鉄鋼大手マグニトゴルスク・アイロン&スチール・ワークス(MMK)と、自社株買いを決めた不動産大手サモレットグループが急騰、上げをけん引。その後は、ロシア国内のドローン攻撃により、ロシア・ウクライナ戦争の激化リスクが高まったことや、ブレント原油先物が1バレル当たり74ドルを割り込んだことが嫌気され、売りが優勢となった。

 週後半は、海外株安となったものの、通貨ルーブル高の進行や企業ニュースを手掛かり材料に買いが優勢となった。個別銘柄では1-3月期決算で大幅増益となった国営石油・天然ガス開発大手ロスネフチや、配当を決めた国営トラック・バス大手カマズが買われ、相場をけん引。その後は、海外株高や原油価格の75ドルへの回復が好感され、買いが一段と強まった。

 週末2日は反落。これまでの相場上昇を受け、高値警戒感から利食い売りが強まった。また、石油大手ルクオイルの配当金支払い総額が発行済み株式数の減少により、当初の見込み額を大幅に下回る見通しとなったことが嫌気され、売りが優勢となった。

 今週(5-9日)のロシア市場は、引き続き、ロシア・ウクライナ戦争(22年2月24日勃発)や西側の対ロ制裁などの地政学的リスク、原油・ガス相場、ルーブル相場、主要企業の配当政策、ロシア中銀の金融政策決定会合(9日)などが焦点。このほか、原油価格に影響を与える4日のOPEC(石油輸出国機構)プラス会合や6日の米API(石油協会)週間石油在庫統計、7日の米EIA週間石油在庫統計も注目される。主な経済発表の予定は5日の5月ロシア非製造業PMI(購買担当者景気指数)や9日の5月CPI(消費者物価指数)など。RTS指数は1000-1100の値動きが予想される。

<関連銘柄>

 RTS連動<1324.T>、WTI原油<1671.T>、ガス<1689.T>、

 原油<1690.T>、野村原油<1699.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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