<新興国eye>前週のインド株、米デフォルト回避や外国人投資家の買いなどを受け続伸=BRICs市況

新興国

2023/6/5 8:58

 前週(5月29日-6月2日)のインド株式市場で、代表的株価指数SENSEX指数の2日終値は前日比0.19%高の6万2547.11、週間ベースでは5月26日終値比0.10%高と、続伸した。

 週明け29日は指数が上昇。翌30日まで4営業日続伸した。31日は反落。6月相場入りした1日も続落した。

 週前半は、米債務上限引き上げ合意を受け、バイデン政権のデフォルト(債務不履行)懸念が払しょくされたことや、IMF(国際通貨基金)の最新リポートで、インドの今後5年間の経済成長率が平均6.1%増になるとの予測が好感され、買いが優勢となった。また、外国人投資家の買い越しが7営業日連続となったことも支援材料となった。その後は、1-3月期の都市部失業率が前期の7.2%から6.8%に低下するとの見通しや、外国人投資家の買い越し継続が好感され、買いが一段と強まった。

 週後半は、これまでの相場上昇を受け、高値警戒感から利食い売りが強まった。指数の構成ウエートが高い複合企業大手リライアンス・インダストリーズや住宅金融大手ハウジング・デベロップメント・ファイナンス(HDFC)とHDFC銀行が下落、下げをけん引。その後は、引き続き、利食い売りが優勢となった。ただ、前日発表された1-3月期GDP伸び率が前年比6.1%増と、市場予想(同5.0%増)を上回ったことや、FRB(米連邦準備制度理事会)幹部の発言を受け、米利上げ観測が後退したため、下値は限られた。

 週末2日は小反発。米債務上限引き上げ法案が上院を通過したことが好感され、買いが優勢となった。個別銘柄ではアルミ大手ヒンダルコ・インダストリーズや自動二輪車大手ヒーロー・モトコープ、鉄鋼大手タタ・スチール、スズキのインド法人マルチ・スズキ・インド(MSI)、自動車大手マヒンドラ・アンド・マヒンドラなどが急伸、相場をけん引した。

 今週(5-9日)のインド市場はウクライナ戦争と西側の対ロ制裁、原油価格の動向、世界経済、特に米・中・欧の景気動向や金融政策、米中関係、インド国内のインフレ動向、主要企業ニュース、欧米の金融不安の動向、インド準備銀行(中銀)の金融政策決定会合(8日)も注目される。主な経済指標の発表予定は5日の5月日経インド非製造業PMI(購買担当者景気指数)や9日の4月鉱工業生産など。

<関連銘柄>

 インドNIF<1678.T>、インドブル<2046.T>、インドベア<2047.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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