RBA、政策金利を0.25ポイント引き上げ―利上げは2会合連続

経済

2023/6/6 15:40

<チェックポイント>

●ロウ総裁、依然インフレ率が高水準と指摘

●インフレ見通しの上ブレリスクが高まっているとの認識示す

●利上げ継続の可能性に含み―市場は6-7月も利上げ継続と予想

 豪準備銀行(RBA、中銀)は6日の理事会で、政策金利であるオフィシャルキャッシュレート(OCR、銀行間取引で使われる翌日物貸出金利)の誘導目標を0.25ポイント引き上げ、4.1%とすることを決めた。市場で利上げを継続するとの予想は少数だったため、追加利上げはサプライズとなった。

 また、資金吸収オペとして、市中銀行のRBAへの預入残高である為替決済(ES)バランス(銀行間決済口座)に適用される公定レートも0.25ポイント引き上げ、4.00%とした。

 利上げは2会合連続。3月会合まで10会合連続で利上げを実施したあと、4月会合では据え置いたが、前回の5月会合で利上げを再開している。

 追加利上げに踏み切った理由について、RBAのロウ総裁は前回会合時と同様、インフレ率が依然として高水準にあることをあげている。「インフレ率がRBAの目標の範囲内である前年比2-3%に戻るには時間を要する」とし、インフレ率を妥当な期間内に正常化させるために利上げサイクルを再開したとしている。

 また、ロウ総裁は、最近の経済データからインフレ見通しの上ブレリスクが高まっているとし、「高インフレ期待が定着すれば、あとで(インフレを)引き下げるにはコストがかかり、金利がさらに上昇、失業率が大幅に上昇することになる」と、インフレ抑制を最優先させる考えを示した。

 今後の金融政策について、ロウ総裁は、豪州の失業率がやや上昇しているものの、依然として労働需給はひっ迫し、賃金の伸びも加速しているとし、「高インフレ期待の長期化が物価と賃金の両方の大幅な上昇に寄与するリスクを警戒している」とした。その上で、「今後も人件費の動向と企業の価格設定行動(価格転嫁)の両方に細心の注意を払う」と警戒感を示している。

 ロウ総裁は今回の会合でも「インフレが妥当な時間内で物価目標に戻ることを確実にするため、金融政策のさらなる引き締めが必要になる可能性があるとして、利上げ継続の可能性に含みを残した。また、「理事会はインフレ率を2-3%上昇の物価目標の範囲内に戻し、経済を安定させるようとしているが、ソフトランディングへの道のりは依然として遠い」とも述べている。

 市場では、次回7月会合と8月会合でも利上げが継続し、オフィシャルキャッシュレートのピーク金利は4.6%(一部では4.8%)になると予想している。

 次回会合は7月4日に開かれる予定。

提供:ウエルスアドバイザー社

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