株式新聞・24年相場アンケート(1)日経平均、バブル超えの4万円台到達も

 株式新聞Webが実施した相場見通しアンケートでは、およそ3分の1強の市場関係者が2024年に日経平均株価(23年末3万3464円)が史上最高値(1989年12月28日の3万8915円、終値ベース)を奪回すると予想した。一部は4万円台を見込んでいる。最多回答も3万6000円台となり、上昇トレンドの継続が視野に入る。

3万6000円台最多、「デフレ脱却」なら昇り竜!?

 アンケートは証券会社のストラテジストらマーケットの専門家42人から有効回答を得た(質問項目によっては無回答・無効回答がある場合も含む、複数人による回答は1人とカウント)。締め切りは12月25日で、大半が日銀の金融政策決定会合(18~19日)の後に答えた。

 干支(えと)は昇り竜(のぼりりゅう)の辰(たつ)に当たる24年の日経平均について、高値は3万6000円台が全体の4割の16人と最も多かった。投信会社のストラテジストは上昇要因に「企業業績の回復基調と賃上げ傾向が続く中で、資本効率改善の動きが一段と広がる」ことを挙げた。また、「米国の利下げと経済の軟着陸」(エコノミスト)や「半導体・電子部品市場の本格回復」(国内中堅証券)も期待材料だ。

 一方、より強気な見方をする市場関係者も少なくない。80年代のバブル時に形成した大天井を突き抜ける3万9000円以上の高値を計15人が予想し、うち4万円以上も計9人いる(最高は4万2000円が2人)。そうした中では、「デフレ脱却」(マーケットアナリスト)、「日本でのマイルドなインフレの定着」(ネット系証券)と、経済的な大きな転換を見込む声が聞かれた。

12月ピーク・安値3月か、米利下げ追い風に

 日経平均の安値については3万円より上の回答が計33人と全体の8割強に上り、3万円台が15人で最多だった。最低は2万6000円まで深掘りする。年末の水準は全体の平均値が3万6835円となった。

 高値の時期は例年通り12月が圧倒的多数(全体の約6割の25人)を占めた。また、安値は3月の14人(同34%)を筆頭に年前半に偏重した。日銀のマイナス金利政策の解除も視野に入る春先に押し目がくる読みだ。ただ、一部では円高進行や米大統領選をめぐる警戒感などからボトムは年後半とみる向きもあった。

 米国市場に関しては、NYダウ(28日終値3万7710ドル)の高値を10人が4万ドル台、9人が3万9000ドル台とし、4万ドル前後1000ドルの水準に計24人(全体の65%)が集中している(最高は4万5000ドルが1人)。

 「複数回の予防的利下げが行われる」(大手証券)ことなどが米国株を押し上げるとみて、日米ともに主要指数の最高値(NYダウは28日の<同日時点>)更新を展望する。安値は3万3000ドル台と3万2000ドル台が8人ずつで最多だった。年末平均値は3万9067ドルで、高値時期はやはり12月が多い。

リスクは中国経済やトランプ再選

 こうした半面、相場のリスクファクターとしては、中国の経済問題全般(一段の景気の冷え込みや経済危機、バランスシート不況など)が最も多かった。さらに、「米大統領選」が「米国経済(のハードランディング)」をやや上回るなど、トランプ前大統領の再選に伴う分断加速への警戒感の強さがうかがえる。また、急激な円高や地政学リスクのほか、政権交代などの日本の政局への注目度も高い。

 なお、前回22年のアンケートでは23年の日経平均の高値を3万円と予想する回答者が最も多く、日本株はマーケットの想定を上回る好パフォーマンスを遂げた格好だ。NYダウ(最多は3万5000ドル台と3万6000ドル台)もより強い結果となった。

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(写真:123RF)

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