リンカーズ・前田佳宏社長に聞く:「サービス変革で飛躍的な成長目指す」
2024/3/14 17:00
リンカーズ(5131)はビジネスマッチング事業として、自社運営マッチングサービス、SaaS(サービスとしてのソフトウエア)型マッチングシステム提供、リサーチサービスなどを手掛けている。中でも、SaaS型ビジネスマッチングシステム「LFB(Linkers for BANK/Linkers for Business)」が好調。今後、「LFB」のノウハウを活用し、自社運営マッチングサービスの変革を計画しており、将来、飛躍的な成長力向上が期待される。同社の現状と今後について前田佳宏社長=写真=に聞いた。
――御社のビジネスマッチング事業について教えてください。
「『世界中の技術が繋がり、新しい商流が絶え間なく生まれる世界を創る』ことを目的として、ものづくり企業のさまざまな課題に対しビジネスマッチングを軸にAI(人工知能)を活用したソリューションを提供しています。具体的なサービスには、『LFB』のほか、技術探索サービス『Linkers Sourcing』、用途開拓サービス『Linkers Marketing』、調達支援サービス『Linkers Trading』があります。『Linkers Research』などリサーチサービスも展開しています」
――今7月期の第1四半期(昨年8月~10月)決算は非連結売上高3億6300万円(前年同期比横ばい)、営業損益9000万円の赤字(前年同期は1700万円の赤字)でした。
「採用強化による人件費増、事業拡大を目的とした予定外の体制シフトのため一時的にリサーチサービスの営業が停滞したことにより、赤字幅が拡大しておりますが、来期以降は正常な状態に戻る想定です」
――その中で、「LFB」が順調な成長を続けています。
「『LFB』は主に金融機関向けに、SaaS型でマッチングシステムを展開しています。金融機関などのマッチング運用業務を劇的にDX(デジタルトランスフォーメーション)化するシステムで、弊社システムを導入した金融機関などは軒並みマッチング成約数と手数料収入を拡大していることを背景に、多数の導入意向をいただいていることから、今期は過去最大の新規導入機関数を見込んでいます。現在、『LFB』により生み出された膨大なデータベースと生成AIを組み合わせ、ビジネスマッチングプロセスのさらなるDX化を進め、マッチング成約件数を増やす仕組みを開発しており、今後より一層のストック収入の拡大を視野に入れています」
――自社運営マッチングサービスはどんなサービスなのでしょうか。
「これまで手掛けた探索案件のデータベースを活用したAIを組み込んだマッチングシステムと、盤石なマッチング運用体制により、大手メーカーのさまざまな技術ニーズと中小企業・大学などの技術シーズをマッチングするサービスです。今後は『LFB』のSaaS型マッチングシステムのノウハウなども利用して、膨大なマッチングデータと生成AIを組み合わせることにより、大手メーカーのより広範囲なニーズに対応していきます。またビジネスモデルもこれまでのフロー型からストック型への転換を図ります。そのため、これまでは売上が横ばいでしたが、ストック化により、売上拡大を目指します」
――将来のビジョンはいかがですか。
「自社運営マッチングサービスを大手メーカーの広範囲なニーズに対応できるスキームに転換することにより、対象市場が数十倍以上に拡大します。また金融機関向けのLFBにおいては、生成AIなどの機能及びカスタマーサクセス体制のさらなる強化により、競合を寄せ付けない強固な体制にシフトし、事業拡大を図ります。既存サービスのさらなる改善と新規サービスの投入による収益性向上に取り組むことで、2026年7月期あたりから業績面の飛躍を目指します」
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