【為替本日の注目点】ドル円小幅ながら直近高値を更新

為替

サーチナ

2024/4/23 10:18

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

 ドル円は介入警戒感がある中、先週16日に記録した154円79銭をわずかに上回る154円85銭まで上昇。155円テストにまた一歩近づく。ユーロドルは1.06台でのもみ合いが続き、横ばい。株式市場では3指数が久しぶりに揃って上昇。大型ハイテク株の決算が今週多く予定されていることから、好決算を期待する買いも。債券は続伸。長期金利は4.60%台に低下。金は3%に迫る大幅安。原油も反落。いずれも中東情勢を巡る懸念が後退したことが背景。

マーケット情報

ドル/円 154.69 ~ 154.85

ユーロ/ドル 1.0624 ~ 1.0661

ユーロ/円 164.39 ~ 165.03

NYダウ +253.58 → 38,239.78ドル

GOLD -67.40 → 2,346.40ドル

WTI -0.29 → 82.85ドル

米10年国債 ―0.012 → 4.608%

本日の注目イベント

独 独4月製造業PMI(速報値)

独 独4月サービス業PMI(速報値)

欧 ユーロ圏4月製造業PMI(速報値)

欧 ユーロ圏4月サービス業PMI(速報値)

欧 ユーロ圏4月総合PMI(速報値)

英 英4月製造業PMI(速報値)

英 英4月サービス業PMI(速報値)

米 4月S&Pグローバル製造業PMI(速報値)

米 4月S&Pグローバルサービス業PMI(速報値)

米 4月S&PグローバルコンポジットPMI(速報値)

米 4月リッチモンド連銀製造業景況指数

米 3月新築住宅販売件数

米 企業決算 → UPS、GM、GE、テスラ

 ドル円はわずかですが、先週記録した高値の154円79銭を抜き、154円85銭まで買われました。154円台後半で推移し介入警戒感があるため、昨日の東京からNYにかけてはほとんど目立った動きもない中、じりじりと155円に迫っている状況です。今週は大型ハイテク株の決算発表が予定されており、「マグニフィセント・セブン」のうちマイクロソフトなど5社が決算を発表します。米株式市場ではそれらのハイテク株が調整局面に入っており、決算発表を契機に再び浮上出来るのかどうかが注目されています。好決算が発表され、再び「リスクオン」の流れが強まるようだと、低金利の円の売り材料と見なされる可能性もあります。

 今週25、26日には日銀金融政策決定会合が開かれます。今回の会合では政策金利の据え置きが予想されていますが、先週ワシントンで開催された「G20」後の講演で植田総裁は、円安進行に伴う物価高について、「無視できない大きさの影響になれば、金融政策の変更も有り得る」との認識を示しました。このままさらに円安が進むようだと日銀の政策決定にも影響を及ぼし、利上げ決断を早める可能性もあります。今回の会合では政策変更はなくとも、午後3時半からの会見で総裁から利上げに前向きな発言や、一歩踏み込んだ発言が出て来るようだと円が買い戻される可能性もありそうです。先週発表されたシカゴ通貨先物市場における「円ショート」のポジションは9万枚を超えており、2018年1月以来となる高水準でした。ドル円が155円に迫る水準であるにもかかわらず高水準を維持していることは、さらに円が安くなるとの見方に立っているからとも言えます。因みに、このポジションが「ネット円買い」から「ネット円売り」に変わったのは2021年3月からで、ドル円は110円前後でした。ここから大きくドル高円安が進み、34年ぶりの円安水準を記録したことは、ご存知の通りです。

 バイデン政権は中国に対する姿勢を強めています。中国の動画共有アプリ「TikTok」の米国での事業を禁止する法案が米下院で可決し、運営する中国の親会社バイトダンスに米国事業の売却を迫っています。売却しない場合、「TikTok」は米国で禁止されることになります。「TikTok」のアプリは米国人1億7000万人余りが利用しており、米議会はこのアプリが収集するデータを中国政府がプロパガンダに利用する可能性があると懸念を強めています。同社は、「これは共和党の下院議員とバイデン大統領の間で交わされた前代未聞の取引きだ」と指摘し、「法案が署名された時点で、われわれは法的な異議申し立てに向けた行動に移る」と、同社の米国での責任者は語っています。ただ同社への逆風は米国だけにとどまらず、欧州でも追随する動きが出て来ました。EUは22日バイトダンスに、完全なリスク評価を明らかにすることなく新サービスに踏み切ったのは域内の新コンテンツ規則に違反する恐れがあるとして、調査を開始しました。バイトダンスは24時間以内に欧州委員会にリスク評価を提出する必要があり、できない場合、制裁金が課される可能性があるとされています。この件に関して中国政府からは、今のところコメントは出ていないようです。

 本日のドル円は154円~155円50銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(イメージ写真提供:123RF)

・今日のアナリストレポート

https://info.kabushiki.jp/rd/gaitameonline_academy01.htm

・主要経済指標の一覧表 ‐ 今月の主要経済指標の予想数値、結果の一覧

https://info.kabushiki.jp/rd/gaitameonline_calender.htm

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