<新興国eye>前週のブラジル株、ペトロブラスの特別配当やインフレ指標改善で反発=BRICs市況

新興国

2024/4/30 9:02

 前週(22-26日)のブラジル株式市場は26日のボベスパ指数が前日比1.51%高の12万6526.3、週間ベースでも19日終値比1.12%高となり、4週ぶりに反発した。

 週明け22日は指数が上昇。23日は4営業日ぶりに反落、25日まで3日続落した。

 週前半は、市場の注目を集めた国営石油大手ペトロブラスの特別配当の規模が剰余金の50%とすることが決まったことを受け、急騰、上げを主導した。その後は、中銀の経済週報「フォーカス・ブルティン」で、24年末時点の政策金利見通しが前週予想の9.13%から9.50%に引き上げられたことが嫌気され、売りが優勢となった。また、ルラ大統領が12月に退任予定のブラジル中銀のロベルト・カンポス・ネト総裁の後任人事について、任命の前倒しの可能性を示唆したことも売り材料となった。

 週後半は引き続き、米株市場が下落したことを受け、ブラジル市場でも売りが一段と強まった。また、前日の中銀経済週報で24年のインフレ見通しが前週予想の3.71%上昇から3.73%上昇に、また、25年も3.56%上昇から3.60%上昇に引き上げられたことが改めて嫌気されたほか、ウジミナス(ミナスジェライス製鉄所)が弱い四半期決算で急落、下げを主導した。その後は、引き続き、売りが優勢となったが、ペトロブラスが定時株主総会で特別配当を含め、全体で943億5000万レアルの配当金の支払いを承認したことを受け、急騰したため、下げは限定的となった。

 週末26日は急反発。ペトロブラスが引き続き高配当を材料に買われたことや、4月中旬時点のIPCA(拡大消費者物価指数)が前月比0.21%上昇と、市場予想(0.29%上昇)を下回り、予想以上に改善したことが好感され、買いが優勢となった。

 今週(4月29日-5月3日)の株式市場は、中東紛争やウクライナ情勢、西側の対ロ制裁などの地政学的リスク、台湾情勢や米中関係の悪化懸念、中国の景気動向、原油・ガスなどの国際商品相場の動向、国内の政治、ルラ政権の経済・財政・税制政策、ペトロブラスの首脳人事なども注目される。

 主な経済指標の発表予定は29日のジェトゥリオ・バルガス財団(FGV)4月IGP-MIインフレ指数や30日の3月PPI(生産者物価指数)、1日の4月貿易収支、2日の3月経常収支と4月S&Pグルーバル・ブラジル製造業PMI(購買担当者景気指数)、3日の4月IPC-Fipeインフレ指数(サンパウロ大学経済研究所の消費者物価指数)と3月鉱工業生産など。1日は「レイバーデイ」の祝日で休場となる。

<関連銘柄>

 ボベスパ<1325.T>、上場MSエマ<1681.T>、上場EM債<1566.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

関連記事

マーケット情報

▲ページTOPへ