海運株、タンカー運賃暴騰が刺激、商船三井など高値更新

株式

2019/10/15 14:22

 海運株が15日に一斉高し、商船三井<9104.T>が年初来高値を更新した。円安による交易条件の好転を材料視した買いに加え、足元で暴騰しているタンカー市況も物色の手掛かりになっている。

 原油タンカーの運賃指標「WS」が11日、中東―極東で前週比2.8倍の315ポイントに跳ね上がった。イラン産原油の調達をめぐり、米国が中国のタンカー大手を経済制裁の対象としたことで、荷主が船腹の調達を速める動きが続いている。「冬場に運賃が上昇しやすい季節性も重なった」(商船三井のコーポレートコミュニケーション部)。

 WSは夏場に40ポイント程度まで切り下げていたが、ここへきて8倍近くまで上昇した。水準としては15年ぶりの高値。大型のVLCCタンカーの用船料(船の賃料)も11日は、1年契約が日建て6万5000ドルと前週比で1.5倍に値上がりしている。

 商船三井は今3月期下期のVLCCの用船料の前提を4万4000ドルに設定している。スポットの市況に影響を受ける「フリー船」は全体の2割程度のもようで、追い風は強まっている。株価は15日におよそ1年ぶりの3000円台を回復。川崎汽船<9107.T>も前週末比7.8%高の1549円を付け、日本郵船<9101.T>も4月以来の新高値。また、小型株の共栄タンカー<9130.T>も上伸した。

提供:モーニングスター社

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