米4月コアCPI、前月比0.4%低下―1957年統計開始以来の大幅低下
2020/5/13 9:35
<チェックポイント>
●前年比は1.4%上昇―13カ月ぶりにFRB物価目標2%上昇を下回る
●新型コロナ感染で航空運賃やホテル、アパレルが3月から一段と落ち込む
●全体指数、前月比0.8%低下―ガソリン価格の急落が主因
米労働省が12日発表した4月CPI(消費者物価指数)は、FRB(米連邦準備制度理事会)が重視しているコアCPI(価格変動が激しいエネルギーと食品を除いたもの)が前月比0.4%低下と、3月の同0.1%低下に続いて2カ月連続のマイナスとなり、57年の統計開始以来63年ぶりの大幅低下となった。一方、前年比は1.4%上昇と、3月の同2.1%上昇から急減速。13カ月ぶりにFRBの物価目標(2%上昇)を下回った。
市場では、中国で発生した新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミック(感染症の世界流行)の悪影響などを背景に、前月比が2カ月連続のマイナスになると予想されていたが、市場予想コンセンサスの同0.2%低下を超えるマイナス幅となった。
コア指数の前月比の内訳は、新型コロナ感染拡大で旅客輸送が90%減少した航空業界の航空運賃が15.2%低下(3月は12.6%低下)と2カ月連続の大幅低下なったほか、ホテル宿泊料も8.1%低下(同7.7%低下)、自動車保険も7.2%低下(同0.6%上昇)と大幅なマイナスとなった。また、アパレルも4.7%低下(同2.0%低下)、中古車(乗用車とトラック)も0.4%低下(同0.8%上昇)となっている。
一方、CPI全体指数(季節調整後)は3月と同様、OPEC(石油輸出国機構)プラスのサウジアラビアとロシアによる原油の値下げ競争を発端とした価格急落やコロナ危機による外出制限を反映してガソリン価格が急落したため、前月比0.8%低下と、3月の0.4%低下に続いて2カ月連続のマイナスとなり、08年12月以来11年4カ月ぶりの大幅低下となった。ただ、市場予想とは一致した。
前月比で、ガソリンは20.6%低下と、3月の10.5%低下からさらに減速し、08年の大恐慌時代(07年12月-09年6月のパリバ・ショック以降の金融危機)以来12年ぶりの大幅低下となった。この結果、エネルギー全体では10.1%低下(3月は5.8%低下)となった。
一方、食品は外出制限で自宅での食事機会が増えたため、1.5%上昇と、3月の0.3%上昇から伸びが加速し、74年2月以来46年2カ月ぶりの高い伸びとなった。なかでもコロナ感染で精肉工場が一時停止し、供給に支障が出た精肉は4.3%上昇(3月は0.1%上昇)となった。
全体指数の前年比も0.3%上昇と、3月の1.5%上昇から急減速し、15年10月(0.2%上昇)以来4年6カ月ぶりの低い伸びとなった。
<関連銘柄>
NASD投信<1545.T>、NYダウ投信<1546.T>、上場米国<1547.T>、
SPD500<1557.T>、NYダウ<1679.T>、NYダウブル<2040.T>、
NYダウベア<2041.T>
提供:モーニングスター社
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