<新興国eye>前週のインド株、ロックダウン期間延長や景気後退懸念で3週続落=BRICs市況
2020/5/25 10:06
前週(18-22日)のインド株式市場で、代表的株価指数SENSEX指数の22日終値は前日比0.84%安の3万672.59、週間ベースでも15日終値比1.37%安となり、3週続落した。
週明け18日の指数は3営業日続落して始まった。インド国内の新型コロナウイルス感染者数が9万6000人に増加する中、政府が前週末、ロックダウン(都市封鎖)の期間を5月末まで延長したことや、米証券大手ゴールドマン・サックスがインドの4-6月期成長率が前期比45%減となり、首都デリーの家計所得もロックダウンで57%減少すると予想したことから国内景気の悪化懸念が強まり、大きく売られた。
19日は反発し、21日まで3日続伸した。
19日は、米バイオ医薬品大手モデルナが新型コロナのワクチン開発で、ヒトへの臨床試験に成功したと発表したことを受け、米株やアジア株が急騰し、インド株も買われた。
週半ばから後半は、ロックダウンの2週間延長と同時に、一部規制も緩和されたことで景気回復期待が高まったことや、ナーマラ・シサラマン財務相が「政府はコロナ危機による企業への悪影響を最大限緩和する措置を講じる」と発言したことを受け、指数が上昇。このほか、政府が航空旅行の制限緩和を発表したことやノンバンクに3カ月間の時限で流動性供給する方針を示したことも支援材料となった。
週末22日は4日ぶりに反落した。中国が香港の民主化運動を抑制するため、新しい治安維持法を導入する意向を示したことで、米中関係が一段と悪化するとの懸念が強まり、インド株にも売りが広がった。
今週(26-29日)のインド市場は、新型コロナウイルス感染拡大やコロナ規制緩和の動向、政府の追加景気刺激策、米中関係の動向、原油価格の動向、主要企業の決算関連ニュースなどが注目される。主な経済指標の発表の予定は29日の1-3月期GDP(国内総生産)伸び率と4月インフラ部門生産高など。25日は「断食明け大祭」の祝日で休場となる。
<関連銘柄>
上場インド<1549.T>、インドNIF<1678.T>、インドブル<2046.T>、
インドベア<2047.T>、iSエマジン<1582.T>
提供:モーニングスター社
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