【上海IPO】紹興中芯集成電路製造が26日に公募開始、16億9200万株を発行予定

サーチナ

中国株

2023/4/26 9:18

 上海証券取引所の科創板への上場を目指す、紹興中芯集成電路製造(688469/上海)が4月26日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。16億9200万株を発行予定で、公募価格は5.69元。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。

 同社は2018年設立で、21年に株式会社化した。中国の半導体大手・中芯国際の完全子会社である中芯HDが19.75%の株式を持つ。MEMS(微小電気機械システム)やパワーデバイスなどに用いるシリコンウエハーの代理製造、モジュールの実装・テストを主業務とするファウンドリー企業。製品はスマート電力グリッド、新エネルギー自動車、風力発電、太陽光発電、コンシューマーエレクトロニクス、5G通信、IoT、家電用品などの分野に用いられており、特に22年10〜12月期においては自動車向けのシリコンウエハー代理生産による売上高が全体の40%近くを占めた。

 MEMS技術プラットフォームではマイクセンサー、慣性センサー、RFデバイス、圧力センサーの4分野をカバー。パワーデバイスではIGBT、MOSFETなどの技術プラットフォームを持つ。20〜22年の売上構成は、シリコンウエハーの代理製造が約9割を占めているが、このうちMEMSの割合は約30%から8%にまで減少する一方で、パワーデバイスの割合が54%から81%にまで増加。パワーデバイスに特化したシリコンウエハーファウンドリー企業となりつつある。

 目論見書によると、同社は2021年のシリコンウエハー代理生産専門企業における売上高世界ランキングで15位、中国国内で5位となっている。また、中国のCCIDコンサルティングの「2020年中国MEMS製造白書」では営業収入能力、ブランド知名度、製造能力、製品能力の4方面から判断した中国大陸MEMS代理生産企業総合ランキングで1位とされた。

 一方、研究開発や生産能力拡大に向けた投資により大幅な赤字が続いている。同社は26年に黒字化を実現するとしているが、市場ニーズの低下などにより長期間にわたり赤字経営が続くリスクを抱えている。22年12月期の売上高は46億633万元(前期比2.28倍)、純損益は15億9502万元の赤字(同13.38%の赤字増)。会社株主に帰属する純損益は10億8843万元の赤字(同11.92%の赤字減)。(編集担当:今関忠馬)(写真:123RF)

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