米5月コアCPI、前月比0.4%上昇―前年比は5.3%上昇と2カ月連続で鈍化

経済

2023/6/14 9:56

<チェックポイント>

●前月比はコア指数、全体指数ともに市場予想と一致

●エネルギーが低下も食品は上昇

●14日のFOMCでの利上げ見送りほぼ織り込む

 米労働省が13日に発表した5月CPI(消費者物価指数)は、FRB(米連邦準備制度理事会)が重視しているコアCPI(価格変動が激しいエネルギーと食品を除く)が前月比0.4%上昇と、4月と変わらず、市場予想の平均値である0.4%上昇とも一致した。他方、前年比は5.3%上昇と、4月の5.5%上昇を下回り、2カ月連続で伸びが減速したが、市場予想の5.2%上昇を上回った。

 エネルギーと食品を含めた全体指数は、前月比0.1%上昇と4月の0.4%上昇から鈍化し、市場予想と一致。前年比でも4.0%上昇と4月の4.9%上昇から大きく鈍化したが、市場予想の4.1%上昇をやや上回った。

 セクター別の前月比は、CPIの構成ウエートの約3分の1を占める家賃やホテル宿泊料などのシェルター価格(家賃・宿泊費)が0.6%上昇と、前月の0.4%上昇から伸びが加速。輸送サービスは、航空運賃が低下したものの、船舶運賃が伸び、全体では0.8%上昇と前月の0.2%低下から上昇に転じた。新車やメディカルケアサービス(処方箋代や病院治療費)は低下した。

 エネルギー全体では前月比3.6%低下と、4月の0.6%上昇から急減速。ガソリン、暖房用、都市ガス料金、電気料金と、全カテゴリーが低下した。一方、食品は0.2%上昇と、2月以来の高い伸びとなった。食品のうち、レストランなどで提供された外食価格は0.5%上昇、自宅調理用の食品は0.1%上昇だった。

 前年比では、シェルター価格が8.0%上昇と、1月以来4カ月ぶりの低い伸びとなった。航空運賃を含めた輸送サービスは10.2%上昇と、前月の11.0%上昇から減速。航空運賃が13.4%低下と、前月の0.9%低下から大きく減速した。このほか、中古車は4.2%低下と、22年11月以来の低い伸びとなった。食品は6.7%上昇、エネルギーは11.7%低下だった。

 CPIの結果を受け、14日結果発表のFOMC(米連邦公開市場委員会)における利上げ見送り観測が広がり、米10年債利回りが一時低下したが、その後は上昇に転じた。今後もインフレ減速傾向が続けば、年内の利上げ再開はないとの見方がある一方、7月会合で利上げを再開するとの見方も根強い。

提供:ウエルスアドバイザー社

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