<新興国eye>前週の上海総合指数、景気刺激期待や複数の政策金利引き下げに3週続伸=BRICs市況

新興国

2023/6/19 9:11

 前週(12-16日)の中国株式市場は主要指標である上海総合指数が週間ベースで3週続伸。16日は3273.33(9日終値比1.3%高)だった。

 週明け12日は指数が反落。翌13日は小反発した。14日は反落。15日は急反発した。

 週前半は、元安を受け、中国人民銀行(中銀)が元相場の対ドル基準値(レファランス・レート)を元安方向に設定したことが嫌気され、売りが優勢となった。ただ、政府が景気対策を講じるとの期待感が強く、人民銀が今後数カ月内に利下げを実施するとの観測も広がったため、下値は限られた。その後は、人民銀が7日物リバースレポを実施し、総額20億人民元を金融システムに供給した上で、短期の政策金利であるオペ金利を2.0%から1.9%に引き下げたことが好感され、買いが優勢となった。また、15日に公表される資金供給ツールの一つである6月の中期流動性ファシリティ(MLF)金利が引き下げられるとの観測も支援材料となった。

 週後半は、元安・ドル高に歯止めがかからず、人民銀が元相場の対ドル基準値3日連続で元安方向に設定したことが嫌気され、売りが優勢となった。また、5月の小売売上高などの経済指標の発表を控え、利食い売りも広がった。その後は、1年物MLF金利が2.75%から2.65%に0.1ポイント、22年8月以来10カ月ぶりに引き下げられたことが好感され、買いが強まった。20日公表予定の銀行の貸出金利のベンチマークであるローンプライムレート(貸出基礎金利、LPR)の引き下げ観測も支援材料となった。

 週末16日は続伸。人民銀が複数の主要政策金利を引き下げたことを受け、市場では6月下旬から7月上旬にかけて追加刺激策が発表されるとの期待感で買いが優勢となった。

 今週(19-21日)の株式市場は台湾情勢やハイテク産業を巡る米中関係、世界経済の動向、海外の金融市場の動向、国内では景気対策、人民元相場、石炭や原油などのコモディティー相場、さらにはブリンケン米国務長官の訪中(18-19日)や李強首相の独仏訪問(18-23日)、も注目される。主な経済指標の発表予定は20日の中国人民銀行のローンプライムレートの設定など。22-23日は「端午節」の祝日で休場となる。

<関連銘柄>

 上証50連動<1309.T>、上場パンダ<1322.T>、上場チャイナ<1548.T>、

 H株ブル<1572.T>、H株ベア<1573.T>、中国A300<1575.T>、

 南方A50<1576.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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