<新興国eye>前週のインド株、FRBの追加利上げやモンスーンの遅れに5週ぶり反落=BRICs市況

新興国

2023/6/26 9:13

 前週(19-23日)のインド株式市場で、代表的株価指数SENSEX指数の23日終値は前日比0.41%安の6万2979.37、週間ベースでは16日終値比0.64%安と、5週ぶりに反落した。

 週明け19日は指数が下落。翌20日は反発した。21日は続伸。22日は反落した。

 週前半は、これまでの相場上昇を受け、高値警戒感から利食い売りが強まったほか、モンスーン期(6-9月)が遅れる見通しが嫌気され、売りが優勢となった。雨量が平年に比べ37%少なく、農業に悪影響が及ぶとの懸念が広がったことが背景。その後は、モディ首相の訪米により、2国間貿易の拡大期待が強まり、買いが優勢となった。ただ、FRB(米連邦準備制度理事会)のジェローム・パウエル議長が議会証言を控え、積極的な買いは抑えられた。

 週後半は、外国人投資家が買い越しとなったことが好感され、一段と買いが強まった。5月末に発表された1-3月期GDPの伸びが前年比6.1%増と、前期の同4.5%増から加速するなど最近の強い経済指標を受け、外国人投資家の買い越しが続いている。その後はパウエルFRB議長が議会証言で追加利上げを示唆したことを受け、海外株安となったことが嫌気され、売りが優勢となった。

 週末23日は続落。引き続き、米追加利上げ懸念が重石となる中、外国人投資家が売り越しとなったことが嫌気され、売りが優勢となった。個別銘柄では複合企業大手アダニ・グループが急落したほか、米コンサルティング大手アクセンチュアの財務情報ガイダンス(会社予想)の引き下げを受け、インフォシスなどインド国内のIT大手や複合企業大手リライアンス・インダストリーズが売られ、下げを主導した。

 今週(26-30日)のインド市場はウクライナ戦争と西側の対ロ制裁、原油価格の動向、世界経済、特に米・中・欧の景気動向や金融政策、米中関係、インド国内のインフレ動向、主要企業ニュースも注目される。主な経済指標の発表予定は30日の5月財政収支と5月インフラ部門生産高など。28日は「犠牲祭」の祝日で休場。

<関連銘柄>

 インドNIF<1678.T>、インドブル<2046.T>、インドベア<2047.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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