<新興国eye>前週のインド株、HDFC合併や景気加速期待、外国人の買い越しに反発=BRICs市況
2023/7/3 8:57
前週(6月26-30日)のインド株式市場で、代表的株価指数SENSEX指数の30日終値は前日比1.26%高の6万4718.56、週間ベースでは23日終値比2.76%高と、反発した。
週明け26日は指数が下落、3営業日続落となった。翌27日は反発。28日まで続伸した。29日は「犠牲祭」の祝日で休場。
週前半は、インド国内のインフレ率が再加速するとの懸念や、米利上げが長期化するとの思惑が強まったことを受け、売りが優勢となった。ただ、自動車株とヘルスケア関連株が相場を下支えしたため、下げは小幅にとどまった。その後は、住宅金融大手ハウジング・デベロップメント・ファイナンス(HDFC)とHDFC銀行が7月1日に合併することが決まったことが好感され、銀行株を中心に買いが優勢となった。また、政府が景気対策を検討しているとの観測や、米信用格付け大手S&Pグローバル・レーティングスが最新リポートで23年度のインドの経済成長率見通しを6%増に据え置いたが、向こう3年間で6.7%増に加速すると予想したことも支援材料となった。
週後半は、海外株高や、外国人投資家の買い越し、原油価格の下落が好感され、買いが優勢となった。インドは世界3大原油輸入国の一つとして知られ、原油高は懸念材料となる。また、最新の経済指標で、インド国内の銀行の不良債権比率が3.9%と、10年ぶりの低水準を記録したことが好感され、金融株や複合企業大手ゴータム・アダニ・グループ傘下企業が買われ、上げをけん引。その後は、「犠牲祭」の祝日で休場となった。
週末30日は取引が再開され、上昇、3営業日続伸となった。指数が2営業日連続で過去最高値を更新。米国の経済指標が好調となり、米景気の減速懸念が後退したことを受け、買いが優勢となった。また、ITや自動車、資本財関連のセクターが買われ、上げを主導した。
今週(3-7日)のインド市場はウクライナ戦争と西側の対ロ制裁、原油価格の動向、世界経済、特に米・中・欧の景気動向や金融政策、米中関係、インド国内のインフレ動向、主要企業ニュースも注目される。主な経済指標の発表予定は3日の6月日経インド製造業PMI(購買担当者景気指数)や5日の6月日経インド非製造業PMIなど。
<関連銘柄>
インドNIF<1678.T>、インドブル<2046.T>、インドベア<2047.T>
提供:ウエルスアドバイザー社
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