<新興国eye>前週のブラジル株、景気回復期待や先物・オプションのSQ算出受け反発=BRICs市況

新興国

2023/7/24 9:12

 前週(17-21日)のブラジル株式市場は21日のボベスパ指数が前日比1.81%高の12万0216.77、週間ベースでは14日終値比2.13%高と、反発した。

 週明け17日は指数が上昇。翌18日は反落した。19日も続落。20日は反発した。

 週前半は、ブラジル中銀の経済週報「フォーカス・ブルティン」で、23年実質GDP伸び率の見通しが前週予想の2.19%増から2.24%増に引き上げられたことが好感され、買いが優勢となった。ただ、GDPの先行きを占う5月IBC-Br経済活動指数が前年比2.15%増と、前月の同3.43%増や市場予想(同4%増)を下回ったことや、重要な貿易相手国である中国の4-6月期GDP伸び率が前年比6.3%増と、市場予想(6.9-7.3%増)を下回ったため、上値は重くなった。その後は、引き続き、IBC-Br経済活動指数の弱い結果や、通貨レアル安の進行、貿易黒字の縮小が嫌気され、売りが優勢となった。ただ、米国の主要企業の四半期決算が好調となったことが好感されたため、下値は限られた。

 週後半は、ウクライナ戦争を巡る地政学的リスクを受け、売りが強まった。ロシアがウクライナの穀物輸出基地を意図的に攻撃しているとのウクライナのゼレンスキー大統領が非難したことが背景。英国とEU(欧州連合)の6月インフレ率がいずれも鈍化する中、イングランド銀行(英中銀)やECB(欧州中央銀行)、FRB(米連邦準備制度理事会)の金融政策決定会合が間近に迫り、積極的な買いが手控えられた。その後は、国会が休会中のため、手掛かり材料難となる中、鉱山大手ヴァーレと、金融大手イタウ・ウニバンコが急伸、上げをけん引。イタウの急伸はF&Q(先物・オプション)取引のSQ(特別清算指数)算出を翌日に控え、買い戻されたことが背景。

 週末21日は続伸。先物・オプション取引のSQ算出日となり、買いが優勢となった。引き続き手掛かり材料難となる中で、市場は来週以降の欧米中銀の金融政策決定会合に焦点を合わせたため、様子見気分が強まった。個別銘柄ではレンタカー大手ロカリザが自社株買いを発表後、急騰、上げを主導した。

 今週(24-28日)の株式市場は、ウクライナ情勢や西側の対ロ追加制裁、台湾情勢や米中関係の悪化懸念、中国の景気動向、原油・ガスなどの国際商品相場の動向、国内の政治、ルラ政権の経済・財政・税制政策、FRBの金融政策決定会合(26日)なども注目される。主な経済指標の発表予定は25日の7月中旬時点のIPCA(拡大消費者物価指数)とジェトゥリオ・バルガス財団(FGV)7月消費者信頼感指数、27日の7月PPI(生産者物価指数)、FGV7月IGP-MIインフレ指数、28日の6月財政収支など。

<関連銘柄>

 ボベスパ<1325.T>、上場MSエマ<1681.T>、上場EM債<1566.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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