<新興国eye>トルコ7月経済信頼感指数、サービス・小売り・建設いずれも悪化―7月設備稼働率は上昇

新興国

2023/7/28 8:42

 トルコ統計局が25日に発表したサービス業と小売業、建設業の経済状況を示す7月セクター別経済信頼感指数(季節調整後)は、サービス業の全体指数が前月比0.6%低下の117.3と、前月(6月)の同0.6%上昇から低下(悪化)に転じ、3月(116.8)以来の低水準となった。

 サービス業のサブ指数は、過去3カ月間の景況感(遅行指数)が前月比0.4%上昇(前月は0.6%上昇)の116.8と、3カ月連続で改善(上昇)したが、過去3カ月間の需要(遅行指数)は同0.4%低下(同0.7%低下)の117.0と、2カ月連続で悪化。今後3カ月間の需要見通し(先行指数)も同1.7%低下(同1.9%上昇)の118.2と、悪化に転じた。

 小売業も同2.6%低下(同0.9%上昇)の114.7と、3カ月ぶりに悪化、22年8月(112.9)以来の低水準となった。サブ指数のうち、過去3カ月間の販売活動は同1.3%上昇(同0.6%低下)の128.8と、改善したが、今後3カ月間の販売見通しは同6.0%低下(同2.0%上昇)の120.0と、4カ月ぶりに悪化した。商品在庫は同3.2%低下(同1.6%上昇)の95.3となり、在庫過剰感が強まった。在庫指数の「上昇」は在庫減、反対に指数の「低下」は在庫増を示す。

 建設業も同0.9%低下(同3.5%低下)の88.1と、2カ月連続で悪化、22年8月(86.3)以来の低水準となった。サブ指数の受注残は同0.6%上昇(同4.7%低下)の83.6と、改善したが、今後3カ月間の雇用見通しは同2.3%低下(同2.4%低下)の92.5と、2カ月連続で悪化した。

 経済信頼感指数はゼロから200までの間で算出され、判断の分かれ目は100。100を超えると「楽観的な見通し」、100を下回ると「悲観的な見通し」を示す。21年1月統計から指数の算定基準(調査対象など)が変更された。

 また、トルコ中銀が同日発表した7月の製造業設備稼働率(季節調整前)は77.1%と、前月(6月)の76.8%から0.3ポイント上昇。コロナ禍前の20年1月の75.5%を上回った。コロナ禍が最も厳しかった同4月は61.6%と、09年4月の61.2%以来11年ぶりの低水準に落ち込んでいる。

 設備稼働率のうち、最も高かったのは投資財の79.6%(前月は79.2%)で、前月を上回った。中間財は76.1%(同76.2%)、消費財は73.4%(同74.0%)、非耐久財は73.2%(同73.9%)と、いずれも前月を下回った。耐久財は74.6%(同74.6%)と、前月と変わらなかった。

 季節調整後の製造業設備稼働率も7月は76.9%となり、前月(76.6%)を上回った。

<関連銘柄>

 上場MSエマ<1681.T>

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