<新興国eye>前週のロシアRTS指数、通貨ルーブル安や原油安を受け反落=BRICs市況

新興国

2023/8/7 8:55

 前週(7月31日-8月4日)のロシア株式市場は、RTS指数(ドル建て)の4日終値が前日比2.95%安の1015.74、前週比では7月28日終値比1.70%安と、反落した。

 週明け31日は指数が大幅高。8月相場入りした翌1日は小反落した。2日も続落。3日は小反発した。

 週前半は、海外株高となり、ロシア市場でも買いが優勢となった。ブレント原油先物が1バレル当たり85ドルに上昇したことも支援材料。中国が内需主導の景気支援策を発表したことが原油高の背景。個別銘柄では金融大手ズベルバンクや石油大手ルクオイルが急騰、上げをけん引した。その後は、海外株安となったことや、ルーブル安が嫌気され、売りが優勢となった。原油価格が85ドルを割り込んだことも売り材料。ただ、下げは限定的となった。

 週後半は、ルーブル安に加え、原油価格が83ドルに後退、売りが強まった。金属大手ノリリスク・ニッケルや国営の天然ガス生産・供給大手ガスプロムの石油子会社ガスプロム・ネフチなど資源セクターが弱い決算発表で売られ、下げを主導。その後は、原油価格が85ドルに回復したことが好感され、買いが優勢となった。最大の原油生産国サウジアラビアが9月まで減産を延長したことが背景。個別銘柄では水力発電大手ルスギドロと食品スーパー最大手X5リテール・グループが買われ、上げを主導した。ただ、ルーブル安が重石となった。

 週末4日は急反落。ルーブル安の進行に加え、これまでの相場上昇を受け、高値警戒感から利食い売りが強まった。

 今週(7-11日)のロシア市場は、引き続き、ロシア・ウクライナ戦争(22年2月24日勃発)や西側の対ロ制裁などの地政学的リスク、原油・ガス相場、ルーブル相場、主要企業の配当政策などが焦点。このほか、原油価格に影響を与える8日の米API(石油協会)週間石油在庫統計や9日の米EIA週間石油在庫統計も注目される。主な経済発表の予定は9日の7月CPI(消費者物価指数)や11日の4-6月期GDP伸び率と6月貿易収支など。指数は1000-1060の値動きが予想される。

<関連銘柄>

 RTS連動<1324.T>、WTI原油<1671.T>、ガス<1689.T>、

 原油<1690.T>、野村原油<1699.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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