<新興国eye>前週のインド株、米利上げ観測や中国の景気後退懸念などを受け4週続落=BRICs市況

新興国

2023/8/21 9:02

 前週(14-18日)のインド株式市場で、代表的株価指数SENSEX指数の18日終値は前日比0.31%安の6万4948.66、週間ベースでは11日終値比0.57%安と、4週続落した。

 週明け14日は指数が上昇。翌15日は「独立記念日」の祝日で休場となった。16日は続伸。17日は反落した。

 週前半は、指数の構成ウエートが高い複合企業大手リライアンス・インダストリーズや、好決算となった格安航空大手スパイスジェットが買われ、上げをけん引、買いが優勢となった。ただ、国内の6月鉱工業生産が前年比3.7%増と、3カ月ぶりの低い伸びとなったことや、中国の銀行融資統計が予想を下回り、景気減速懸念が高まったため、上値は重くなった。その後は、「独立記念日」の祝日で休場となった。

 週後半は、売りが先行したが、プラス圏となった。国内の7月CPI(消費者物価指数)が前年比7.44%上昇と、15カ月ぶりの大幅上昇となったことや、中国の景気後退懸念で売りが先行。ただ、IT大手インフォシスが国際CATV会社リバティー・グローバルから16億4000万ドルの受注契約を獲得したことが好感され、また、金融や医薬品のセクターも買われ、上げをけん引した。その後は、米追加利上げ観測で米株市場やアジア市場が下落、インド市場でも売りが優勢となった。前日値上がり下ITと金融が売られ。下げをけん引。

 週末18日は続落。引き続き、中国の景気後退懸念や、米追加利上げ観測が嫌気され、IT大手のタタ・コンサルタンシー・サービシズ(TCS)やインフォシス、ウィプロ、HDFC銀行を中心に売りが強まった。ただ、個別銘柄ではアダニ・パワーとアダニ・エナジー・ソリューションズ、アダニ・グリーンが買われ、相場を下支えした。アブダビ国営エネルギー会社(TAQA)がアダニの電力関連子会社に25億ドルを投資するとの観測報道が背景。

 今週(21-25日)のインド市場はウクライナ戦争と西側の対ロ制裁、原油価格の動向、世界経済、特に米・中・欧の景気動向や金融政策、米中関係、インド国内のインフレ動向、主要企業ニュース、さらにはインド準備銀行(中銀)の議事録発表(24日)、G20(主要20カ国・地域)貿易相会議(24-25日)も注目される。主な経済指標の発表予定はない。

<関連銘柄>

 インドNIF<1678.T>、インドブル<2046.T>、インドベア<2047.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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