来週の東京外国為替市場見通し=米雇用関連指標や中国の8月重要経済指標に注意
予想レンジ:1ドル=142円35銭-150円00銭
21-25日のドル・円はもみ合い。週初21日は、米政策金利の高止まりが意識されるなか、米債券利回りが上昇し、ドルが買われた。22日のドル・円は上値の重い展開。米格付け大手が米地銀5行の格下げを発表、米銀行株が軟調に推移する中、ドル売り・円買いが優勢だった。23日のドル・円は下押し。米8月総合PMI(購買担当者景気指数)が市場予想平均を下回った。低調な米指標の結果を受け、FRB(米連邦準備制度理事会)の金融引き締め観測が後退した。24日のドル・円は反発。米の堅調な労働需給を受け、金融引き締めの継続が意識され、利回りが上昇すると、ドル買い・円売りが強まった。週末にかけては、米カンザスシティー連銀主催の経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」の結果を見極めたいとの思惑から、ドル・円はレンジ内で推移した。
25日、「ジャクソンホール会議」でのパウエルFRB議長の発言に注目が集まる。市場では追加利上げ観測こそ高まっていないが、早期の利下げ観測は後退。利上げ効果は借入需要減退などの面に表れているものの、インフレは下げ渋っており、パウエル議長の講演内容もタカ派寄りになるとの見方が広がっている。金融引き締めの長期化が意識されれば、ドルは買われやすい。
「ジャクソンホール会議」を通過しても、8月28日の週は米8月雇用統計など雇用関連指標の発表が多いため、結果を確認しながらの展開となりそうだ。中国不動産大手の破産申請などで中国経済の先行きも不透明感が強まっており、中国の8月重要経済指標の結果にも注意したい。
ドル・円の上値メドは150円ちょうど。下値メドは13週移動平均線が控える142円35銭近辺。
提供:ウエルスアドバイザー社
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