米8月雇用統計、非農業部門雇用者数は18.7万人増―市場予想上回る

経済

2023/9/4 8:21

<チェックポイント>

●失業率は3.8%に上昇―22年2月以来の高さ

●平均時給の伸びは0.4%増に鈍化―インフレ圧力緩和

●労働者市場参加率、62.8%に上昇―3年半ぶり高水準

 米労働省が1日に発表した8月雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比18万7000人増となり、市場予想の平均値である17万人増を上回った。ただ、7月分は18.7万人増から15.7万人増に、6月分は18.5万人増から10.5万人増にそれぞれ下方改定され、過去3カ月間(6-8月)の月平均は15万人増と、7月時点の18万1000人増から鈍化した。5月(28万1000人増)以来の高い伸びとなったが、3カ月連続で20万人増を下回っており、雇用市場の軟化傾向を示している。

 失業率は3.8%と、7月や市場予想の3.5%を上回り、22年2月以来の高さとなった。また、平均時給は前月比0.2%増の33.82ドルと、伸びが前月の0.4%増から鈍化し、市場予想の0.3%増も下回った。前年比では4.3%増と、前月の4.4%増から鈍化したが、市場予想とは一致した。一方、労働時間は34.4時間と、前月の34.3時間を上回った。労働需要が強まると従業員の勤務時間が伸びる傾向にある。

 労働市場への参加の程度を示す労働者の市場参加率は62.8%と、3月から7月までの62.6%から上昇し、20年2月以来の高水準となった。市場参加率の上昇は労働力不足の緩和要因、ひいてはインフレ圧力の緩和要因となる。

 セクター別の雇用者数は、製造業が前月比1万6000人増(7月は4000人減)、サービス業が同14万3000人増(7月は14万1000人増)となった。レジャー・接客業が同4万人増と(同3万2000人増)と依然堅調となっている。

 部門別では、民間部門が前月比17万9000人増と、7月の15万5000人増を大幅に上回った。政府部門も同8000人増と、7月の2000人増から伸びが加速したが、3月の6万人増をピークに伸びは減速傾向にある。

 今回の雇用統計では非農業部門雇用者数が市場予想を上回ったが、失業率の上昇や賃金の伸びが鈍化したことを受け、市場は労働需給が緩和しつつあるとみている。

<関連銘柄>

 NASD投信<1545.T>、NYダウ投信<1546.T>、上場米国<1547.T>、

 SPD500<1557.T>、NYダウ<1679.T>、NYダウブル<2040.T>、

 NYダウベア<2041.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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