<新興国eye>前週のロシア株、原油高やルーブル高、主要企業の好決算を受け反発=BRICs市況

新興国

2023/9/4 8:57

 前週(8月28日-9月1日)のロシア株式市場は、RTS指数(ドル建て)の1日終値が前日比3.74%安の1055.43、前週比では8月25日終値比1.1%高と、反発した。

 週明け28日は指数が上昇、翌29日まで3営業日続伸した。30日は反落、31日は反発した。

 週前半は、通貨ルーブル高と原油高が好感され、買いが優勢となった。ブレント原油10月先物は1バレル当たり84ドル超に上昇。個別銘柄では金鉱山大手セリグダルの中間決算が好調となり、配当実施を決めたこと受け、急騰、上げをけん引した。その後は原油高が好感され、買いが広がった。天然ガス生産・供給大手ガスプロムが決算発表前に好決算の憶測で急騰したほか、国営航空持ち株会社ユナイテッド・エアクラフト(OAK、統一航空機製造会社)が新型旅客機の試験飛行に成功したことを受け、急騰、上げを主導した。

 週後半は、これまでの相場上昇を受け、高値警戒感から利食い売りが強まった。特に、ガスプロムと同業大手ロスネフチが売られ、下げを主導。ただ、原油価格が85ドル近くで落ち着いた動きとなったため、下値は限られた。その後は原油価格が86ドル超に上昇したことや、ルーブルが上昇に転じたことが好感され、買いが優勢となった。原油高は中国の景気指標の改善や米週間原油統計で原油在庫が減少したことが背景。個別銘柄では石油パイプライン建設大手トランスネフチが配当期待で買われたほか、国営金融大手VTB(対外貿易銀行)も四半期決算で大幅増益となり、急騰、上げをけん引。

 9月相場入りした週末1日は反落。高値警戒感から利食い売りが強まった。個別銘柄ではトランスネフチが好決算を受け、買われた一方で、リン酸肥料最大手フォスアグロが肥料の輸出税増税が嫌気され、急落、下げを主導した。

 今週(4-8日)のロシア市場は、引き続き、ロシア・ウクライナ戦争(22年2月24日勃発)や西側の対ロ制裁などの地政学的リスク、原油・ガス相場、ルーブル相場、主要企業の配当政策などが焦点。このほか、原油価格に影響を与える6日の米API(石油協会)週間石油在庫統計や7日の米EIA週間石油在庫統計、ロシアとトルコの首脳会談(4日)も注目される。主な経済発表の予定は5日のロシア非製造業PMI(購買担当者景気指数)や8日の4-6月期GDP伸び率と8月CPI(消費者物価指数)など。

<関連銘柄>

 RTS連動<1324.T>、WTI原油<1671.T>、ガス<1689.T>、

 原油<1690.T>、野村原油<1699.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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