<新興国eye>前週のインド株、中国の不動産支援策や米利上げ巡る憶測などを受け続伸=BRICs市況

新興国

2023/9/11 9:11

 前週(4-8日)のインド株式市場で、代表的株価指数SENSEX指数の8日終値は前日比0.5%高の6万6598.91、週間ベースでは1日終値比1.85%高と、続伸した。

 週明け4日は指数が上昇、7日まで5営業日続伸した。

 週前半は、中国政府が経営危機に陥っている不動産セクターの追加支援策を発表したことや、前週末の米8月雇用統計で失業率が上昇したことを受け、FRB(米連邦準備制度理事会)が9月会合で追加利上げを見送るとの観測が広がり、買いが優勢となった。個別銘柄では鉄鋼大手タタ・スチールとアルミ大手ヒンダルコ・インダストリーズが急騰、上げをけん引。その後は、不動産セクターが買われ、上げを主導した。ムンバイなどの大都市の8月不動産登記数が高水準となったことが背景。また、医薬品や日用品などの消費財関連が買われ、指数の構成ウエートが高い複合企業大手リライアンス・インダストリーズも上昇、相場を押し上げた。

 週後半は、売りが先行したが、後半にHDFC銀行や通信大手バーティ・エアテル、複合企業大手ITCが買われ、プラス圏で引けた。米経済指標の強い結果を受け、米利上げ観測が再燃、原油高も重石となった。インドは世界3大原油輸入国の1つとして知られ、原油高は懸念材料となる。その後は、海外株安を受け、売りが先行したが、後半から上昇勢いを盛り返した。国営石油大手サウジアラムコから大型受注に成功したエンジニアリング大手ラーセン・アンド・トゥブロを始め、銀行やIT、国営石炭最大手コール・インディア、電力大手パワー・ファイナンス・コーポレーションも買われ、上げをけん引。ただ、米追加利上げの長期化懸念が重石となった。

 週末8日は6営業日続伸。海外株安が嫌気される中、個別銘柄が相場をけん引した。引き続き、ラーセン・アンド・トゥブロが買われたほか、国内の電力需要急増で電力株、また、インド準備銀行(中銀)が預金準備率の段階的引き上げを中止すると発表、銀行株も買われた。自動車大手のタタ・モーターズとランドマーク・カーズも急騰。

 今週(11-15日)のインド市場はウクライナ戦争と西側の対ロ制裁、原油価格の動向、世界経済、特に米・中・欧の景気動向や金融政策、米中関係、インド国内のインフレ動向、主要企業ニュース、インド太平洋経済枠組み(IPEF)首席交渉官会合(10-16日)も注目される。主な経済指標の発表予定は12日の7月鉱工業生産と8月CPI(消費者物価指数)、14日の8月WPI(卸売物価指数)、15日の9月消費者信頼感指数など。

<関連銘柄>

 インドNIF<1678.T>、インドブル<2046.T>、インドベア<2047.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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