<新興国eye>前週のロシアRTS指数、海外株高や原油高、通貨ルーブル高を受け反発=BRICs市況

新興国

2023/9/19 8:55

 前週(11-15日)のロシア株式市場はRTS指数(ドル建て)の15日終値が前日比1.06%高の1029.15、前週比では8日終値比1.70%高と、反発した。

 週明け11日は指数が上昇、翌12日も続伸した。13日は反落、14日も続落した。

 週前半は、通貨ルーブル高が好感され、買いが優勢となった。マクシム・オレシュキン大統領補佐官が東方経済フォーラムの講演で、ルーブル安の進行を阻止するため、資本規制を検討しており、中期的にルーブル相場の安定を目指していると発言したことがルーブル高となった背景。個別銘柄では石油パイプライン建設大手トランスネフチが23年の原油輸送計画を据え置く方針を示したことが好感され、急騰、上げをけん引。その後は、ルーブル高に加え、ブレント原油先物が1バレル当たり92ドル超に上昇したことが好感され、買いが一段と強まった。

 週後半は、これまでの相場上昇を受け、高値警戒感から利食い売りが強まった。また、ルーブル安となったことも売り材料となった。鉄道貨車大手ユナイテッド・ワゴン・カンパニーが125億株の新株発行を承認したことを受け、株価の希薄化が進むとの懸念で売られ、下げを主導した。その後は、ロシア中銀の金融政策決定会合を控える中、ルーブル安が進行したことを受け、売りが一段と強まった。ただ、原油価格が93ドル超に上昇したため、下げは限定的となった。

 週末15日は反発。中銀が1ポイントの追加利上げを決めたことを受け、ルーブル相場が持ち直したことが好感され、買いが優勢となった。また、中銀が次回以降の会合での追加利上げの可能性について、中立的なスタンスを示したことも支援材料となった。

 今週(18-22日)のロシア市場は、引き続き、ロシア・ウクライナ戦争(22年2月24日勃発)や西側の対ロ制裁などの地政学的リスク、原油・ガス相場、ルーブル相場、主要企業の配当政策などが焦点。このほか、原油価格に影響を与える19日の米API(石油協会)週間石油在庫統計や20日の米EIA週間石油在庫統計も注目される。主な経済発表の予定は20日の8月WPI(卸売物価指数)など。指数は980-1100のレンジでの取引が予想される。

<関連銘柄>

 RTS連動<1324.T>、WTI原油<1671.T>、ガス<1689.T>、

 原油<1690.T>、野村原油<1699.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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