<新興国eye>前週のインド株、中国の景気指標改善や米追加利上げ回避観測に3週続伸=BRICs市況

新興国

2023/9/19 8:56

 前週(11-15日)のインド株式市場で、代表的株価指数SENSEX指数の15日終値は前日比0.47%高の6万7838.63、週間ベースでは8日終値比1.86%高と、3週続伸した。

 週明け11日は指数が上昇、14日まで10営業日続伸した

 週前半は、金融株が上げをけん引。過去最高値を試す展開となった。個別銘柄では複合企業大手ゴータム・アダニ・グループ傘下の港湾運営大手アダニポーツ&SEZとアダニ・エンターテインメントが急騰、上げを主導。その後は、8月CPI(消費者物価指数)の発表を控え、様子見気分が強まったが、買いが優勢となった。ただ、インド自動車大手のタタ・モーターズやマヒンドラ・アンド・マヒンドラが急落したため、上値は重くなった。政府がEV(電気自動車)の普及のため、ディーゼル燃料車へのGST(物品・サービス税)の10%追加増税を計画していることが背景。

 週後半は、8月CPIが前年比6.83%上昇と、前月や市場予想を下回ったことが好感され、一段と買いが強まった。インド通信大手バーティ・エアテルや宝飾品大手タイタン、アクシス銀行、インドステイト銀行(SBI)などが買われ、上げを主導。その後は、米8月CPIが改善したことを受け、FRB(米連邦準備制度理事会)は9月会合で金利据え置きに転換するとの観測が広がり、買いが広がった。また、農薬最大手UPLやアルミ大手ヒンダルコ・インダストリーズ、インド国営石油ガス公社(ONGC)などが上げをけん引。

 週末15日は11営業日続伸。重要な貿易相手国である中国の景気指標が改善したことが好感され買いが優勢となった。医薬品大手ストライズ・ファーマが急騰、上げを主導。同社のエイズウイルス(HIV)感染者の抗レトロウイルス療法に使われる薬が米食品医薬品局(FDA)の承認を得たことが背景。

 今週(18-22日)のインド市場はウクライナ戦争と西側の対ロ制裁、原油価格の動向、世界経済、特に米・中・欧の景気動向や金融政策、米中関係、インド国内のインフレ動向、主要企業ニュースも注目される。主な経済指標の発表予定はない。19日は「ガネーシャ祭」の祝日で休場。

<関連銘柄>

 インドNIF<1678.T>、インドブル<2046.T>、インドベア<2047.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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