<新興国eye>トルコ8月失業率、9.2%に低下―労働市場参加率は低下

新興国

2023/10/12 8:52

 トルコ統計局が10日発表した8月の失業率(季節調整後、15歳以上)は9.2%と、7月の9.4%から2カ月連続で低下、14年1月(9.2%)以来9年7カ月ぶりの低水準となった。1年前の9.8%やコロナ禍前の20年1月の13.0%を大きく下回っている。

 年代別では15-24歳の若年層の失業率は17.2%と、前月の18.0%を下回り、5月(17.1%)以来の低水準となった。1年前の18.7%も大きく下回った。

 ただ、労働供給の余地(活用できていない労働力)を示す、いわゆる未活用労働者比率(labour underutilization rate)は23.0%と、前月の22.6%から上昇、6月(24.2%)以来の高水準に戻り、雇用市場のたるみ(労働力などの余剰)感が強まっている。コロナ禍により外出制限など規制が強かった21年1月の29.3%をピークに低下傾向にあったが、23年2月(23.3%)以降、徐々に上昇傾向にある。

 失業者数(15歳以上)は前月比5万6000人減の322万3000人と、2カ月連続で減少。また、前年同月比では16万人減と、1年前の水準を大きく下回った。

 他方、雇用者数は2カ月連続で増加したものの、前月比わずか1000人増の3168万6000人にとどまった。前年比では66万7000人増となり、雇用回復が緩やかに続いている。雇用率は48.4%と、前月と変わらなかった。ただ、前年同月の47.9%を上回り、1月の直近ピークの48.6%(1月)に近い水準となっている。

 また、労働市場参加率は53.3%と、前月の53.4%から低下、6月(53.0%)以来の低水準となり、1月の53.9%のピークを下回った。ただ、1年前の53.1%を上回っている。

 ヴェダト・イシュハン労働・社会保障相はX(旧ツイッター)で、「我々は雇用者数を毎日どんどん押し上げ、敢然として失業との戦いを続ける」と述べている。

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 上場MSエマ<1681.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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