来週の東京外国為替市場見通し=FOMC控え動きにくい、中東情勢を注視
予想レンジ:1ドル=146円65銭-151円00銭
16-19日のドル・円は小幅に上昇した。週明け16日は、グールズビー米シカゴ連銀総裁が米インフレの鎮静化に言及したことで米追加利上げ観測が後退、ドル・円の上値を抑えた。17日は、強い米9月小売売上高を受けてドル買い・円売りが優勢となったが、150円に近づくと日本当局による円買い介入への警戒感が高まり、伸び悩んだ。18日は、米9月住宅着工件数が市場予想を上回り、ドル高が進んだものの、為替介入への警戒から、ドル・円の上値は限られた。19日は、日本の9月貿易収支が黒字となったことが円買いを誘ったが、パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長が米インフレ率について依然高いとの認識を示したことからドルを買い戻す動きが優勢となった。
21日より10月31-11月1日のFOMC(米連邦公開市場委員会)を前にしたブラックアウト期間に入るため、週内はFRB高官による発言機会も乏しい。米経済指標では、7-9月期GDP(国内総生産)速報値、米9月PCE(個人消費支出)デフレーターがあり、これらが強い内容となれば米追加利上げ観測の高まりがドル買いを誘うが、週後半にかけては、翌週のFOMCを控えて様子見ムードも広がるとみられる。
引き続き中東情勢の動向には注意が必要だ。イスラエルは各国首脳によるイスラエル訪問が終わったあと、イスラム組織「ハマス」が支配するガザ地区に侵攻する可能性を示唆して。ガザ地区への侵攻が現実となれば、中東情勢のさらなる深刻化が見込まれる。また、イスラエルや同国を支援する欧米に対する抗議デモが中東諸国を中心に広がりをみせており、欧米とイスラム諸国の対立を背景とした世界各地でのテロ拡大などに対する警戒が高まりそうだ。リスクオフの動きが予想される一方、原油価格の上昇による日本の貿易赤字拡大を見込んだ円売りに発展する可能性もあり、見極めが必要。
ドル・円の上値メドは151円ちょうど近辺。介入への警戒感は根強く、短期的には150円ちょうどを意識した展開が続くとみられる。ただ、PCEデフレーターなどで米インフレ率の高さが意識されるようなら、すんなりと150円を突破することも考えられる。下値メドは13週移動平均線の146円65銭近辺。
提供:ウエルスアドバイザー社
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