<新興国eye>前週のブラジル株、中東紛争の長期化懸念や米金利高長期化懸念に反落=BRICs市況

新興国

2023/10/23 9:38

 前週(16-20日)のブラジル株式市場は20日のボベスパ指数が前日比0.74%安の11万3155.28、週間ベースでは13日終値比2.25%安と、反落した。

 週明け16日は指数が上昇、翌17日は反落した。19日まで3日続落。

 週前半は、中東情勢が緊迫化する中、原油価格の高騰が好感され、買いが優勢となった。また、ブラジル中銀の経済週報「フォーカス・ブルティン」で、23年のインフレ見通しが前週予想の4.86%上昇から4.75%上昇に引き下げられ、物価目標のレンジの上限に収束するとの見通しが初めて示されたことも支援材料となった。その後は、米9月小売売上高が予想を上回り、インフレ抑制のための金融引き締め観測が強まったことや、米国債利回りの上昇が嫌気され、売りが強まった。

 週後半は、中東パレスチナ自治区のガザ地区で病院が爆撃され、約500人が死亡して中東情勢が緊迫化したことを受け、売りが一段と強まった。その後は、FRB(米連邦準備制度理事会)のベージュブック(地区連銀経済報告)が公表され、ディスインフレ(物価上昇率の低下)や雇用の冷え込みが見られなかったため、追加利上げ懸念が広がり、売りが優勢となった。また、中東紛争の長期化懸念、さらに国内では8月小売売上高が減少したことが嫌気された。ただ、原油高を受けて、国営石油大手ペトロブラスが急騰したため、下げは限定的だった。

 週末20日は4日続落。指数の構成ウェートが高いペトロブラスと鉱山大手ヴァーレがともに急落、相場を押し下げた。また、FRBのパウエル議長が講演で強いインフレ懸念を示したことを受け、10年国債利回りが急伸、金利高の長期化懸念が強まり、売りが一段と強まった。

 今週(23-27日)の株式市場は、中東紛争やウクライナ情勢、西側の対ロ追加制裁、台湾情勢や米中関係の悪化懸念、中国の景気動向、原油・ガスなどの国際商品相場の動向、国内の政治、ルラ政権の経済・財政・税制政策なども注目される。主な経済指標の発表予定は25日のジェトゥリオ・バルガス財団(FGV)10月消費者信頼感指数と9月鉱工業生産、26日の9月経常収支と10月中旬時点のIPCA(拡大消費者物価指数)など。

<関連銘柄>

 ボベスパ<1325.T>、上場MSエマ<1681.T>、上場EM債<1566.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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