【為替本日の注目点】ドル円再び150円台を付ける

為替

サーチナ

2023/10/23 10:04

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

 ドル円は米金利の上昇を背景にジリ高が続き、先週末の欧州時間朝方に続き、週明けのオセアニア市場でも150円10銭前後まで上昇。ユーロドルは引き続き1.05台から1.06台前半での動きが続く。株式市場は3指数が揃って続落。米長期金利が5%に乗せる場面もあり、依然として金利高が株価の重しに。債券は反発。一時5%を付けた長期金利は4.91%台に低下。金は4日続伸。一時は2009ドル台まで買われたが、1994ドル台で引ける。原油は反落。

マーケット情報

ドル/円 149.72 ~ 149.99

ユーロ/ドル 1.0565 ~ 1.0603

ユーロ/円 158.44 ~ 158.90

NYダウ -286.89 → 33,127.28ドル

GOLD +13.90 → 1,994.40ドル

WTI -0.62 → 88.75ドル

米10年国債 -0.076 → 4.914%

本日の注目イベント

豪 オーストラリア首相、訪米(26日まで)

欧 ユーロ圏10月消費者信頼感

米 カリフォルニア州知事、訪中(週中)

 ドル円は今朝の4時前ごろ、再び150円台に乗せ、150円10銭前後までドル高が進む場面があったようです。当社のチャートは月曜日の朝7時前の値動きには対応していませんが、ブルームバーグのデータによると、150円06銭まで上昇した、あるいは150円11銭までドル高が進んだといった痕跡もあり、週明け早朝でマーケットが薄い時間帯だったこともあり、荒っぽい値動きだったと考えられます。ただ、ドル円はその後介入警戒感から、149円80銭台まで値を下げています。

 米長期金利も米債券市場開始前には一時5%の大台に乗せたようですが、NYではやや低下し4.91%台で引けており、米金利の上昇にドル円を買う動きがあった模様です。今月3日にはドル円が150円16銭まで上昇した後、介入らしき動きとなり、一気に147円台半ばまで押し戻された経緯もあります。ここから上の水準では介入を警戒しながら、恐る恐るドル買いを進めるといった動きになりそうです。米金利の上昇が止まらず、先週には日米金利差を基準にすると、ドル円は153円台が適切といった記事もありました。日米金利差が拡大傾向を続ける以上、ドル上昇の流れを変えるのはなかなか困難ですが、一方で政府日銀の介入に対する動きも不透明で、それだけに不気味です。再び150円の攻防が続きそうです。

 ハマスは200人を超える人質のうち、米国籍の母娘2人を解放したとイスラエル政府が発表しました。2人の解放の目的は分かりませんが、イスラエルが大規模な地上戦を計画していることから、その計画を遅らせるための「時間稼ぎだ」との声もあるようです。バイデン大統領は、「この攻撃があった早い段階から、われわれはハマスの人質となった米国市民の解放に向けて24時間体制で取り組んできた。まだ拘束されている人々の解放を確保するための取り組みは終えていない」と表明しており、同時にイスラエルに対し、パレスチナ自治区ガザへの地上進行を遅らせよう圧力をかけているようです。ただ、イスラエルのネタニヤフ首相は地上戦が近いことを示唆しており、米国からの圧力にどこまで応じるのか不透明です。ブルームバーグはこれに関して、「イスラエルは当初、地上侵攻の先延ばしに抵抗したものの、米国の圧力に押されて侵攻をとどまることに同意したと、関係者らは語った、公にはイスラエルは、ここ数日に軍事作戦に関するトーンを変化させており、民間人の犠牲者を減らすため、より限定的なアプローチを採用することを示唆している」と伝えています。

 混迷を深めている米下院議長選で、下院共和党は保守強行派でトランプ氏に近いジョーダン議員の議長候補指名の取り消しを決め、再び振り出しに戻っています。この取り消しは、112対86で決定され、以前よりも同氏の議長就任に反対する共和党議員が増えたことになります。新たな議長候補者には9人の共和党議員が名乗りを上げ、ブルームバーグによると日本時時間24日午前7時半から議長候補に対する会合を開き、24日には選出手続きを開始するとのことです。ただ共和党の候補者が決まったとしても、下院議会での議長選で再び共和党員の造反が出れば、可決に必要な票が確保できない可能性もありそうです。

 ドル円は150円台に乗せ一旦は押し戻されてはいますが、再び150円台を狙える位置にいます。介入水準を確かめる格好で、ジリジリとドルが緩やかに買われる展開がありそうです。

 本日のドル円は149円~150円50銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(写真:123RF)

・今日のアナリストレポート

https://info.kabushiki.jp/rd/gaitameonline_academy01.htm

・主要経済指標の一覧表 ‐ 今月の主要経済指標の予想数値、結果の一覧

https://info.kabushiki.jp/rd/gaitameonline_calender.htm

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