【為替本日の注目点】米IT企業の決算好調

為替

サーチナ

2023/10/25 10:05

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

 ドル円は欧州時間の朝方に149円32銭まで売られたが、NYではPMIが市場予想を上回ったことで149円93銭まで上昇。依然として149円台での動きが続く。ユーロドルはやや水準を下げ1.06を挟む展開に。株式市場はハイテク株の決算が好調だったことで3指数が揃って上昇。S&P500は30ポイント上昇し、6日ぶりに反発。債券は朝方、経済指標の発表に反応して売られたが、その後反発。4.88%まで上昇した長期金利は、結局4.82%台で引ける。金と原油は続落。

マーケット情報

10月S&Pグローバル製造業PMI(速報値) → 50.0

10月S&Pグローバルサービス業PMI(速報値) → 50.9

10月S&PグローバルコンポジットPMI(速報値) → 51.0

10月リッチモンド連銀製造業景況指数 → 3

ドル/円 149.75 ~ 149.93

ユーロ/ドル 1.0583 ~ 1.0636

ユーロ/円 158.53 ~ 159.13

NYダウ +204.97 → 33,141.38ドル

GOLD -1.70 → 1,986.10ドル

WTI -1.75 → 83.47ドル

米10年国債 -0.027 → 4.823%

本日の注目イベント

豪 豪第3四半期消費者物価指数

日 8月景気先行指数(CI)

独 独10月ifo景況感指数

米 9月新築住宅販売件数

米 米豪首脳会議(ワシントン)

米 パウエル・FRB議長、イベント冒頭で挨拶

米 企業決算 → IBM、ボーイング

加 カナダ中銀政策金利発表

 ドル円は引き続き149円台で推移しており、高水準の米金利がドルの下値を支える一方、150円に近づくと介入警戒感がドルの上値を抑える展開になっています。昨日の欧州市場の朝方には149円32銭までドルが下落する場面もありましたが、NYでは10月のPMIが予想を上回ったため、米長期金利が上昇し、ドル円を149円93銭まで押し上げています。どうやら来週から始まる日米の金融政策会合の結果を待たないと、明確な方向性が出て来ないような雰囲気になっています。そのため、7月下旬には12%まで上昇したドル円1カ月のボラティリティーも、足元では8%程度まで低下しています。

 欧米が人道的な立場からイスラエルに対して民間人の犠牲者を回避するよう圧力をかけていますが、イスラエルは地上侵攻は控えているものの、依然としてガザへの大規模は攻撃を続けています。今朝の報道では双方の死者が7100人を超えたようです。バイデン大統領は24日、パレスチナ自治区ガザへの人道支援は十分迅速に届いていないとの認識を示し、ブリンケン国務長官も国家安全保障理事会の閣僚級会合で、人道的観点から戦闘の一時停止を検討すべきだと述べています。また、国連のグテレス事務総長は同会議で、明白な国際法違反が続いているとして、ガザでの即時停戦を求めました。この発言後、イスラエルの外相は予定していたグテレス氏との会談をキャンセルしています。さらに世界銀行のバンガ総裁はブルームバーグとのインタビューで、「以前は誰もが西側諸国と中国のデカップリングについて話していたが、現在のより大きな問題は中東とそこで起きていることだ」と述べ、紛争が限定的にとどまったままであれば「それほどの懸念にはならないだろうが、もし拡大した場合、世界有数の産油地域を不安定にさせる力を持ち、根本的な流れが変わるだろう」と語っていました。

 ECBは明日26日に理事会を開催し、政策金利の引き上げについて議論しますが、現時点では引き上げ、据え置きの可能性は「五分五分」のようです。引き続きドイツを中心にオランダ、オーストリアは追加利上げを主張していますが、フランスなどは据え置きが適切だと述べています。「インフレは依然として高すぎる」と発言していたラガルド総裁のトーンが、やや変わってきたようです。ラガルド氏は23日の欧州委員会で、インフレとの闘いは上手くいっているが、財政規律に関する域内の合意がないことが問題になりつつあるとの認識を示しています。総裁は、「ユーロ圏経済は今後数四半期にわたり停滞し、下振れリスクに直面しているが、物価に対するリスクはバランスが取れてきている」と語っています。

 米議会下院では議長不在の機能不全が続いていますが、共和党下院は、下院議長選に党内ナンバー3のエマー院内幹事を新たに議長候補に指名しました。下院議長の選出には、本会議の採決で少なくとも217票の獲得が必要ですが、先のジョーダン候補同様、必要な票を得られるのかどうかは不透明です。米暫定予算の期限は11月17日までで、猶予はあと3週間余りしかありません。下院議長選がこのまま混乱が続くようだと、政府機関閉鎖のリスクが日増しに高まります。

 「ブラックアウト期間」に入っているため、金融政策について直接言及することはないとしても、景気や経済の見通しについてパウエル議長から何かの発言があるかもしれません。本日のドル円は149円~150円50銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(写真:123RF)

・今日のアナリストレポート

https://info.kabushiki.jp/rd/gaitameonline_academy01.htm

・主要経済指標の一覧表 ‐ 今月の主要経済指標の予想数値、結果の一覧

https://info.kabushiki.jp/rd/gaitameonline_calender.htm

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