<新興国eye>トルコ10月経済信頼感指数、小売りが悪化、サービスは改善―10月設備稼働率は上昇

新興国

2023/10/26 8:51

 トルコ統計局が25日発表したサービス業と小売業、建設業の経済状況を示す10月セクター別経済信頼感指数(季節調整後)はサービス業の全体指数が前月比0.5%上昇の113.6と、前月(9月)の同2.0%低下から4カ月ぶりに上昇(改善)、8月(115.3)以来の高水準となった。

 サービス業のサブ指数は、過去3カ月間の景況感(遅行指数)が前月比0.3%低下(前月は0.5%低下)の114.5と、3カ月連続で悪化(低下)したが、過去3カ月間の需要(遅行指数)は同0.9%上昇(同1.4%低下)の113.2と、5カ月ぶりに改善。また、今後3カ月間の需要見通し(先行指数)も同0.9%上昇(同4.2%低下)の113.0と、4カ月ぶりに改善した。

 それとは対照的に、小売業は同3.3%低下(同3.0%上昇)の113.9と、再び悪化、22年8月(112.9)以来の低水準となった。サブ指数のうち、過去3カ月間の販売活動は同2.8%低下(同0.5%低下)の120.3と、3カ月連続で悪化、今後3カ月間の販売見通しも同3.9%低下(同6.5%上昇)の131.1と、3カ月ぶりに悪化した。商品在庫は同2.9%低下(同3.2%上昇)の95.4となり、在庫過剰感が高まった。在庫指数の「上昇」は在庫減、反対に指数の「低下」は在庫増を示す。

 建設業は同0.9%上昇(同1.0%上昇)の89.1と、2カ月連続で改善、5月(92.2)以来の高水準となった。サブ指数の受注残は同0.2%上昇(同1.9%低下)の82.1と、3カ月ぶりに改善。今後3カ月間の雇用見通しも同1.4%上昇(同3.7%上昇)の96.1と、2カ月連続で改善した。

 経済信頼感指数はゼロから200までの間で算出され、判断の分かれ目は100。100を超えると「楽観的な見通し」、100を下回ると「悲観的な見通し」を示す。21年1月統計から指数の算定基準(調査対象など)が変更された。

 また、トルコ中銀が同日発表した10月の製造業設備稼働率(季節調整前)は77.4%と、前月(9月)の77.3%から0.1ポイント上昇。依然、コロナ禍前の20年1月の75.5%を上回っている。コロナ禍が最も厳しかった同4月は61.6%と、09年4月の61.2%以来11年ぶりの低水準に落ち込んでいた。

 設備稼働率のうち、最も高かったのは投資財の78.8%(前月は78.3%)で、前月を上回った。次いで、中間財が76.2%(同76.2%)となり、前月と変わらなかった。消費財は73.8%(同73.3%)、非耐久財も73.9%(同73.3%)と、いずれも前月を上回った。耐久財は73.0%(同73.4%)に低下した。

 他方、季節調整後(SA)の製造業設備稼働率は10月が76.8%と、前月(76.9%)をやや下回った。

<関連銘柄>

 上場MSエマ<1681.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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