RBA、政策金利を0.25ポイント引き上げ―市場予想通り

経済

2023/11/7 14:25

<チェックポイント>

●インフレはピーク過ぎたが、数カ月前の予想よりも高いと

●利上げサイクル継続の可能性残すも、行き過ぎた引き締めの影響は警戒

●市場、次回12月以降の利上げ継続は困難と予想

 豪準備銀行(RBA、中銀)は7日の理事会で、政策金利であるオフィシャルキャッシュレート(OCR、銀行間取引で使われる翌日物貸出金利)の誘導目標を0.25ポイント引き上げ、4.35%にすることを決めた。利上げは市場予想通りで、6月会合以来、5会合ぶり。

 資金吸収オペとして、市中銀行のRBAへの預入残高である為替決済(ES)バランス(銀行間決済口座)に適用される公定レートも4.25%に同率引き上げた。

 RBAのブロック総裁は、再利上げに踏み切ったことについて、「インフレはピークを過ぎたものの、数カ月前の予想よりも高い水準を持続している」とし、その上で「最新の経済予測ではインフレ率の低下が続くものの、その低下ペースは当初の予想より鈍くなる」とし、高インフレの長期化懸念を指摘。インフレ率は24年末までに前年比約3.5%上昇となり、物価目標(2-3%)の上限に達するのは25年と予想している。

 今後の金融政策については、これまで通りインフレ抑制を優先させる考えを示した上で、経済データとリスクの動向次第と、前回までと変わらず、利上げサイクルが継続する可能性を残した。一方、行き過ぎた利上げによる景気後退懸念も表明。経済的なつながりの強い中国の経済が弱含んでいることや、中東情勢の緊迫化などを念頭に不確実性が残るとしたほか、失業率の見通しについては、現在の3.6%から約4.25%まで徐々に上昇するとの見方を示している。

 市場では、今後12カ月間にリセッション(景気低迷)に陥るとの見方も多く、ソフトランディング(緩やかな調整)の可能性が低下する可能性があるとして、次回12月会合以降の利上げ継続のハードルは高いと見ている。

 次回会合は12月5日に開かれる予定。

提供:ウエルスアドバイザー社

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