<新興国eye>前週のロシア株、原油高やルーブル高、企業の配当金ニュースに4週続伸=BRICs市況

新興国

2023/11/27 8:56

 前週(20-24日)のロシア株式市場で、RTS指数(ドル建て)の24日終値は前日比0.51%安の1143.15、前週比では17日終値比1.9%高と、4週続伸した。

 週明け20日は指数が上昇。翌21日も続伸した。22日は反落、23日も続落した。

 週前半は、通貨ルーブル高と、ブレント原油先物が1バレル当たり83ドルに上昇したことが好感され、買いが優勢となった。原油高はOPEC(石油輸出国機構)プラスの減産延長観測が背景。その後は、海外株高を好感、買いが一段と強まった。原油価格が82ドルで落ち着いたことや、ルーブル高の進行も支援材料。個別銘柄ではイーコマース(電子商取引)最大手オゾンが1-10月期小売り売上高の統計が好調だったことが好感され、急騰、上げをけん引した。

 週後半は、原油価格が一時78.4ドルにまで急落したことが嫌気され、売りが優勢となった。OPECプラスの減産延長決定が微妙な情勢となったことが背景。ただ、海外株高となったことや、個別銘柄で製パン大手ノボロシスク・ブレッド・プロダクツ・プラントが配当の実施を発表後、急騰したため、下げは限定的となった。その後は、原油価格の回復懸念で売りが一段と強まった。個別銘柄では資源大手ポリメタルがモスクワ証取から上場廃止される可能性が強まり、急落、下げを主導。同社は西側の対ロ制裁により、本拠地移転手続きが難しくなったことが背景。

 週末24日は3日続落。原油価格の先行き不透明感や、ルーブル安が嫌気され、売りが強まった。また、ポリメタルが再び急落、下げをけん引した。

 今週(11月27日ー12月1日)のロシア市場は、引き続き、中東紛争やロシア・ウクライナ戦争(22年2月24日勃発)の動向、西側の対ロ制裁などの地政学的リスク、原油・ガス相場、ルーブル相場、主要企業の配当政策などが焦点。このほか、原油価格に影響を与える29日の米API(石油協会)週間石油在庫統計や30日の米EIA週間石油在庫統計も注目される。主な経済発表の予定は29日の10月失業率と10月鉱工業生産、1日の11月製造業PMI(購買担当者景気指数)など。指数は1100-1200のレンジでの取引が予想される。

<関連銘柄>

 RTS連動<1324.T>、WTI原油<1671.T>、ガス<1689.T>、

 原油<1690.T>、野村原油<1699.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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