<新興国eye>前週のインド株、海外株高や原油安、欧米の利上げ終了観測に4週続伸=BRICs市況

新興国

2023/11/27 8:56

 前週(20-24日)のインド株式市場で、代表的株価指数SENSEX指数の24日終値は前日比0.07%安の6万5970.04、週間ベースでは17日終値比0.27%高と、4週続伸した。

 週明け20日は指数が下落。翌21日は反発、22日も続伸した。23日は小反落。

 週前半は、通貨ルピー安の進行や、OPEC(石油輸出国機構)プラスの減産延長観測で原油価格が上昇したことが嫌気され、売りが優勢となった。インドは世界3大原油輸入国の一つとして知られ、原油高は懸念材料となる。また、インド準備銀行(中銀)による消費者向け無担保ローンの規制強化(融資拡大に伴う貸倒引当金の積み増し義務)に対する懸念が強まり、銀行などの金融株が下落したほか、金属株や自動車株、日用消費財株が軟調となり、下げをけん引。その後は、米欧の利上げサイクルが終了したとの観測で海外株高となり、インド市場でも買いが優勢となった。IT株が上昇したほか、前日、下落した金融株が持ち直し、上げをけん引。

 週後半は、海外株高となったことや、原油価格が急落したことが好感され、買いが一段と強まった。原油安はOPECプラスの減産延長決定が微妙な情勢となったことが背景。石油精製大手バーラト・ペトロリアムなどエネルギー株と医薬品株が上昇、上げをけん引。ただ、インド準備銀行のダス総裁が講演で、銀行の過剰融資のリスクを警告したことや、FOMC(米連邦公開市場委員会)議事録でインフレ抑制を最優先する考えが示され、利上げサイクルの終了観測に疑念が生じたため、上値は重くなった。その後は、薄商いとなる中、ほぼ横ばいとなった。原油安や、米経済の後退懸念で金利緩和観測が強まり、相場を下支えした。

 週末24日は続落。これまで上昇していたIT株が売られ、下げを主導した。ただ、複合企業大手ゴータム・アダニ・グループが買われたため、下げは限定的となった。米ヒンデンブルグ・リサーチが暴露したアダニの不正会計問題で、インド証券取引委員会(SEBI)が調査結果を発表したことが背景。

 今週(11月28日ー12月1日)のインド市場は中東紛争やウクライナ戦争と西側の対ロ制裁、原油価格の動向、世界経済、特に米・中・欧の景気動向や金融政策、米中関係、インド国内のインフレ動向、主要企業ニュースも注目される。主な経済指標の発表予定は30日の7-9月期GDPと10月財政収支、10月インフラ部門生産高など。27日は「グル・ナーナク生誕祭」の祝日で休場となる

<関連銘柄>

 インドNIF<1678.T>、インドブル<2046.T>、インドベア<2047.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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