香港前場:ハンセン0.6%安で続落、上海総合は0.04%下落

サーチナ

中国株

2023/12/4 13:38

 週明け4日前場の香港マーケットは、主要80銘柄で構成されるハンセン指数が前日比101.29ポイント(0.60%)安の16729.01ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が35.42ポイント(0.61%)安の5726.31ポイントとそろって続落した。売買代金は617億4050万香港ドルに拡大している(1日前場は460億2750万香港ドル)。

 資金の流動性低下が警戒される流れ。中国人民銀行(中央銀行)は先週に続き、市場から資金を吸収している。きょう4日は、リバースレポ取引を通じ、満期分との差引で4340億人民元を市中から吸収した。今週は大量償還が予定されている。ただ、下値は限定的。米国の利上げサイクル終了期待が高まったことや、政府系ファンドによる本土A株買い支えスタンスがプラス材料だ。(亜州リサーチ編集部)

 ハンセン指数の構成銘柄では、バイオ医薬品開発受託会社の薬明生物技術(2269/HK)が23.8%安と急落し前場途中で売買を一時停止。外電は4日、「薬明生物技術はこのほど、2024年上半期の粗利益率が低水準にとどまるとの見通しを示した」と報じた。薬明生物技術は4日朝方、同日にビジネスアップデートミーティングを開催すると発表。投資家のリスク回避スタンスが強まった。

 セクター別では、スマートフォンの部材関連が安い。高偉電子(1415/HK)が5.3%、舜宇光学科技(2382/HK)が3.7%、瑞声科技HD(2018/HK)が3.0%、丘タイ科技(1478/HK)が2.8%ずつ下落した。

 スポーツ用品や食品など中国消費セクターもさえない。李寧(2331/HK)が4.8%安、安踏体育用品(2020/HK)が4.1%安、中国動向(3818/HK)が1.9%安、日清食品(1475/HK)が2.9%安、康師傅HD(322/HK)が1.6%安で引けた。

 中国不動産セクターも一部銘柄を除き売られる。旭輝(884/HK)が5.1%安、建発国際投資集団(1908/HK)が4.0%安、遠洋集団HD(3377/HK)が3.8%安、融創中国HD(1918/HK)が1.6%安と値を下げた。

 半面、海運セクターは高い。太平洋航運集団(2343/HK)が6.2%、海豊国際HD(1308/HK)が4.7%、東方海外(316/HK)が2.0%、中遠海運HD(1919/HK)が1.0%ずつ上昇した。

 産金セクターも物色される。霊宝黄金(3330/HK)が8.5%高、中国黄金国際資源(2099/HK)が6.2%高、紫金鉱業集団(2899/HK)が4.3%高、招金鉱業(1818/HK)が3.9%高で前場取引を終えた。金相場の上昇が追い風。先週末のNY商品取引所では、金先物が急反発し、過去最高値を更新した。

 他の個別株動向では、流動性危機に直面する不動産デベロッパー、中国恒大集団(3333/HK)が13.4%高。香港高等法院(高等裁判所)は4日に予定していた中国恒大集団に対する清算申し立ての審理について、2024年1月29日に延期することを決めた。

 一方、本土マーケットは3日ぶり小反落。主要指標の上海総合指数は、前営業日比0.04%安の3030.56ポイントで前場の取引を終了した。医薬株が安い。不動産株、消費関連株、公益株、銀行・保険株なども売られている。半面、エネルギー株は高い。産金株、運輸株、メディア・娯楽株も買われている。

(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)

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