香港大引:ハンセン0.8%高で4日ぶり反発、テック指数は1.8%上昇

サーチナ

中国株

2023/12/6 17:36

 6日の香港マーケットは、主要82銘柄で構成されるハンセン指数が前日比135.40ポイント(0.83%)高の16463.26ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が54.29ポイント(0.97%)高の5663.92ポイントとそろって4日ぶりに反発した。売買代金は988億6390万香港ドルとなっている(5日は1180億2520万香港ドル)。

 米長期金利低下が好感される流れ。米金融当局が金融政策で重要視する雇用関係の指標が弱含む中、米利上げサイクルの終了期待が高まり、昨夜の米債券市場では米10年債利回りが再び急低下した。約3カ月ぶりの低い水準に回帰している。また、このところの急ピッチな下落でハンセン指数が昨日、昨年11月10日以来の安値を付けたとあって、値ごろ感も着目された。ただ、上値は重い。格付け見通しの引き下げが逆風だ。財政および経済状況に下振れリスクがあるとして、格付け会社のムーディーズ・インベスターズ・サービスは5日、中国の信用格付け見通しを「安定的(ステーブル)」から「弱含み(ネガティブ)」に引き下げている。また、中国であす7日に11月の貿易統計、米国で8日に11月の雇用統計(米労働省)が公表される予定。模様眺めのスタンスも漂った。(亜州リサーチ編集部)

 「ニューエコノミー」関連銘柄に買いが先行。ハンセン科技(テック)指数は1.8%高で他の指数をアウトパフォームした。個別では、パソコン(PC)世界最大手の聯想集団(992/HK)が10.0%高、新興EV(電気自動車)メーカーの蔚来汽車(9866/HK)が4.9%高、オンラインゲーム中国大手の網易(9999/HK)が4.6%高と値を上げている。聯想は前日、楊元慶・董事長兼首席執行官(CEO)による一部保有株の売却が嫌気され10.2%安と急落していた。

 本土と香港の不動産セクターも高い。旭輝(884/HK)が3.6%、世茂房地産HD(813/HK)が3.4%、中国海外宏洋集団(81/HK)が3.2%、新世界発展(17/HK)が4.2%、恒基兆業地産(12/HK)が3.1%ずつ上昇した。

 宅配や荷役など物流関連の銘柄群も物色される。嘉里物流聯網(636/HK)が8.2%高、深セン国際HD(152/HK)が4.2%高、中国外運(598/HK)が3.1%高、京東物流(2618/HK)が2.5%高で取引を終えた。

 マカオのカジノ関連もしっかり。美高梅中国HD(2282/HK)が4.4%高、金沙中国(1928/HK)が4.0%高、永利澳門(1128/HK)が2.2%高、新濠国際発展(200/HK)が1.9%高で引けた。金沙中国については、同社が5日引け後、親会社の米ラスベガス・サンズ(LVS/NYSE)が同社株の買い増しを行うと発表したことも材料視されている。

 一方、本土マーケットは3日続落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.11%安の2968.93ポイントで取引を終了した。銀行株が下げ主導。エネルギー株、公益株、運輸株、消費関連株の一角なども売られた。半面、不動産株は高い。素材株、半導体株も買われた。

(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)

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