米11月中古住宅販売件数、前月比0.8%増の年率382万件―6カ月ぶり増加に転じる

経済

2023/12/21 8:28

●市場、中古住宅市場は回復の兆しと

●住宅価格は5カ月連続で低下

●NAR、住宅ローン金利低下で「今後は顕著な変化(増加)」を期待

 NAR(全米不動産業協会)が20日に発表した11月の中古住宅販売件数(季節調整済み)は、前月比0.8%増の年率換算382万件と6カ月ぶりに増加に転じ、市場予想の平均値である378万件を上回った。

 住宅供給の過不足感を示す11月時点の未販売住宅(在庫)は前月比1.7%減の113万件と3カ月ぶりに減少した。

 住宅の販売ペースは、販売物件が11月中に市場に残っていた期間は25日間と、前月の23日間や1年前の24日間から大きく変わらず、11月中に販売された物件のうち、全体の62%(前月は66%)が1カ月弱で販売されるなど、すぐ売り切れる状態が続いている。11月の販売ペースで換算した在庫水準は3.5カ月分と、前月の3.6カ月や適正水準とされる5-6カ月分を下回ったが、1年前の3.3カ月分を上回った。

 住宅価格(中央値)は前月比1%低下の38万7600ドルと5カ月連続で低下、22年6月(41万3800ドル)のピーク時を6.3%下回った。主力の一戸建てが前月比1%低下の39万2100ドルと5カ月連続で低下している。

 住宅価格は前年比でみると3.5%上昇で、年初1月の36万5400万ドルからみると7%も上昇しているが、落ち着きを見せ始めており、11月の新規住宅取得者の比率は31%と、前月や1年前の28%を上回った。

 市場では、中古住宅市場が10月に底打ちした可能性が高く、11月の結果は中古住宅市場は回復の兆しを見せ始めたと見ている。一方、NARのチーフエコノミスト、ローレンス・ヤン氏は、住宅ローン金利が低下していることから、「今後は堅調な変化(増加)が期待される」とした一方、「(住宅ローン金利が)大きく低下しなければ持ち家の売却が進まず、(引き続き)住宅販売を抑制する最大要因になる」と指摘している。

<関連銘柄>

 NASD投信<1545.T>、NYダウ投信<1546.T>、上場米国<1547.T>、

 SPD500<1557.T>、NYダウ<1679.T>、NYダウブル<2040.T>、

 NYダウベア<2041.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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