<新興国eye>前週のインド株、利食い売りを受け8週ぶり反落=BRICs市況

新興国

2023/12/25 9:03

 前週(18-22日)のインド株式市場で、代表的株価指数SENSEX指数の22日終値は前日比0.34%高の7万1106.96、週間ベースでは15日終値比0.53%安と、8週ぶりに反落した。

 週明け18日は指数が下落。翌19日は小反発した。20日は反落。21日は反発した。

 週前半は、これまでの相場上昇を受け、高値警戒感から利食い売りが強まった。銀行とITが下げをけん引。前日、指数は過去最高値を更新している。産業用爆発物生産大手ソーラー・インダストリーズ・インディアのナーグプル工場で爆発事故が起きたことを受け、株価が急落、下げをけん引。

 その後は、インド石油天然ガス公社(ONGC)や政府系石油開発大手オイル・インディアなどエネルギー株が堅調となり、上げを主導した。政府が原油と軽油の超過利潤税を引き下げたことが背景。また、指数の構成ウエートが高い世界最大の製油所を運用するリライアンス・インダストリーズや、特殊化学品大手インドグリコールズもエタノールの供給契約の獲得を受けて急騰した。

 週後半は、ITと消費関連のセクターが相場をけん引する形で買いが先行、一時、過去最高値を更新したものの、引けにかけて利食い売りが強まった。その後は、前日とは対照的に売りが先行したあと、リライアンス・インダストリーズやHDFC銀行などの金融、金属、電力のセクターを中心に押し目買いが優勢となった。FRB(米連邦準備制度理事会)傘下のフィラデルフィア地区連銀のパトリック・ハーカー総裁が講演で、利下げ転換を支持したことも支援材料。

 週末22日は続伸。米7-9月期GDP伸び率の確定値が前期比4.9%増と、改定値の5.2%増から下方修正され、ドル安が進み、コモディティ(国際相場商品)の輸入コストが低下するとの思惑で、買いが優勢となった。米株市場が堅調だったことも支援材料。また、IT大手が買われ、上げを主導した。

 今週(26-29日)のインド市場は中東紛争やウクライナ戦争と西側の対ロ制裁、原油価格の動向、世界経済、特に米・中・欧の景気動向や金融政策、米中関係、インド国内のインフレ動向、主要企業ニュースも注目される。主な経済指標の発表予定は29日の11月財政収支と11月インフラ部門生産高など。25日は「クリスマス」の祝日のため、休場となる。

<関連銘柄>

 インドNIF<1678.T>、インドブル<2046.T>、インドベア<2047.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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