来週の東京外国為替市場見通し=米利下げタイミング見極め、年始も振れ幅の大きさに注意

国内市況

為替

2023/12/29 16:30

予想レンジ:1ドル=139円80銭-145円00銭

 25-29日のドル・円は下落した。週明け25日は、動意薄。クリスマスで多くの海外市場が休場となる中で市場参加者が少なく、植田和男日銀総裁が講演したものの市場の反応は鈍かった。26日は、米長期金利の上昇を受けてドル買いが優勢となり、やや強含みで推移。

 27日は、18-19日開催分の日銀金融政策決定会合の「主な意見」で早期の政策修正に慎重な意見がみられたものの、米12月リッチモンド連銀製造業景況指数が市場予想以上に悪化したことから米長期金利が低下し、ドル売り・円買いに傾いた。28日の東京時間にかけてもドル・円は弱含みで推移したが、米国時間になるとポジション調整のドル買い・円売りにより下げ幅を縮小。29日の東京時間は方向感なくもみ合った。

 24年最初の週(24年1月2-5日)は、3日に米11月JOLTS(雇用動態調査)求人件数、米12月ISM(供給管理協会)製造業景況感指数、12-13日開催分のFOMC議事録、4日は米12月ADP(オートマチック・データ・プロセッシング)雇用統計、週末5日は米12月雇用統計と、注目材料が目白押しで、これらを眺めながら米利下げのタイミングを見極めていくことになる。市場予想を下回ったり、議事録がハト派的と受け止められたりすれば、米早期利下げ観測が高まり、ドル・円の重しになるだろう。

 また、12月31日と1月2日は中国で各PMI(購買担当者景気指数)が発表される。中国経済に対する悲観的な見方が広がるようならリスクオフの円買いが加速しそうだ。

 年明け後もしばらくは薄商いが予想され、仕掛け的な動きに対して振れ幅が大きくなる傾向にある点は留意したい。

 ドル・円の上値メドは145円ちょうど。下値メドは139円80銭。54週移動平均線(29日時点で140円20銭近辺)や心理的フシ目の140円ちょうどを下回ったところではドルを買い戻す動きも強まるとみる。

提供:ウエルスアドバイザー社

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